「新規事業に向いている人」の正体とは?必要スキルと保有スキルのギャップから見る選び方・見極め方

「新規事業の担当者を誰にするか」を決める場面で、多くの企業は営業成績や役職、本人のやる気といった「感覚的な材料」で判断しています。しかし実際には、新規事業に求められるスキルと、社内人材が実際に持っているスキルの間には大きなギャップが存在することが調査からわかっています。この記事では、そのギャップを軸に「新規事業に向いている人」の正体を整理し、企業が担当者を選ぶ・見極める際の具体的な着眼点を解説します。

目次

「新規事業に向いている人」は感覚ではなくスキルギャップで見極められる

株式会社ビザスクが実施した新規事業担当者の実態調査によると、新規事業担当者に必要なスキルの1位は「戦略立案」とされる一方、実際に担当者が持っていたスキルとしては5位にとどまっています。さらに約6割の企業が「自社の新規事業担当者は成功に導くスキルが不足している」と回答しており、必要なスキルと実際の保有スキルの間に明確なギャップがあることが読み取れます。このギャップは、パーソル総合研究所の調査データからも裏付けられます。同社の新規事業開発に関する調査では、新規事業開発が「成功している」と回答した企業はわずか30.6%にとどまり、「成功に至っていない」が36.4%を占めます。加えて同研究所の調査(ITmedia掲載)では、組織マネジメント上の課題として「担い手となる人材の確保」を挙げる企業が38.9%と最も多く、「向いている人材が社内にいない・見つけられない」ことそのものが事業成否を左右する現実が見えてきます。つまり「新規事業に向いている人」を感覚ではなく客観的な基準で見極めることは、事業の成功確率に直結する経営課題だといえます。

Traits

新規事業に向いている人・向いていない人の特徴とミスマッチのサイン

新規事業に向いている人には、いくつか共通する言動が見られます。第一に「曖昧さ耐性」です。正解が決まっていない状態でも仮の方針を出して動ける人は、市場や顧客の反応を見ながら軌道修正することに抵抗がありません。第二に「仮説検証志向」で、完璧な計画を立てることよりも、小さく試して学ぶことを優先します。第三に「巻き込み力」で、決裁者の承認をただ待つのではなく、必要な人を自ら動かして小さく前進させられる点も特徴です。
一方で、ミスマッチのサインも具体的な言動として現れます。「正解を求めすぎて動けない」「完璧な事業計画書ができるまで着手しない」「社内調整を後回しにして最後にまとめて説得しようとする」といった振る舞いは、新規事業の初期フェーズでは大きな遅延要因になりがちです。これらは能力の優劣というより、適性の方向性の問題であるため、本人の資質を責めるのではなく、役割の再配置を検討する材料として捉えることが重要です。

「担当者選びに自信が持てない」という段階でもご相談いただけます。現状の体制を伺いながら進め方をご提案します。

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Misconceptions

経験・スキルだけで選ぶ企業が陥りがちな誤解3つ

誤解1:営業成績が良い人は新規事業も得意だろう。実際には、既存商材を売る力と、正解のない事業を仮説から立ち上げる力は別のスキルです。前者は実行力、後者は探索力が求められます。

誤解2:役職や年次で選べば安心。実際には、意思決定の経験が豊富でも「曖昧さに耐える」「小さく試す」ことに慣れていない管理職は、事業初期のスピード感とかみ合わないケースが少なくありません。

誤解3:やる気があれば適性は後からついてくる。実際には、意欲と適性は別物です。前述のビザスク調査では約8割の企業が「経験やスキルに基づいた選定」を行っていると回答しており、意欲や人柄だけでなくスキル面の適性確認を軽視している実態がうかがえます。経験・スキルの棚卸しと、実際の言動レベルでの適性確認をあわせて行うことが欠かせません。

Process

中小企業が新規事業担当者を選ぶ・見極める際の5つの着眼点

  1. 曖昧な指示への反応:具体的な指示がない状態で「まず何をするか」を自分で言語化できるかを確認する。
  2. 小さな検証を回した経験の有無:過去に「試して、学んで、直す」というサイクルを回した経験があるかを聞く。
  3. 社内外の巻き込み実績:決裁権のない立場でも、周囲を動かして物事を進めた経験があるかを確認する。
  4. 失敗の語り方:過去の失敗を他責ではなく、自分の判断プロセスとして振り返って語れるかを見る。
  5. 撤退判断への態度:「うまくいかなかったらすぐに撤退・方向転換する」ことに前向きかどうかを確認する。

なお、社内に新規事業の土台がまだない場合は、人・お金・体制を小さく揃える順番を先に整理しておくと、担当者選びの判断もしやすくなります。

Comparison

社内に適任者がいない場合の補完策を比較する

選択肢特徴
社内異動・兼任で無理に任せるスピードは速いが、適性が合わない場合はスキルギャップがそのまま事業リスクになる
スポットコンサル・複業人材の起用専門知見を短期間で補えるが、伴走の深さや継続的な実装支援には限界がある
人材紹介での新規採用中長期では有効だが、採用までのリードタイムとコストが大きく、初期検証には向かない
AI開発の専門会社に依頼担当者不在でも、AIツールを活用した小さなプロトタイプ作りから伴走できる。ただし事業の意思決定そのものは社内側の関与が必要

実際に社内の担当者だけで抱え込まず、外部の力を借りて小さく形にした例もあります。オプティソースのコーポレートサイト自体、Claude Codeを使ってデザイン調整から記事投稿の仕組みまで構築しており、専任エンジニアがいない体制でも仮説を素早く形にできることを社内で実証しています。また当社の製造業事業「NEWJI」が開発・運営するAI受発注システム「newji」も、調達・購買業務の属人化という現場課題を起点に小さく検証を重ねながら育てているプロダクトです。適任者が社内にいなくても、こうした伴走型の進め方でギャップを埋められる余地があります。

FAQ

新規事業に向いている人に関するよくある質問

自分が新規事業に向いているか自己診断する方法はありますか?

過去に「明確な指示がない状況で自分から動いた経験」「小さく試して方向転換した経験」があるかを振り返るのが一つの目安です。曖昧さへの耐性と仮説検証の経験値は、記事内で紹介した着眼点と同じ観点で自己確認できます。

向いていない人を担当にしてしまった場合、どう立て直せばよいですか?

本人の能力不足と決めつけず、役割の再配置を検討します。戦略立案が苦手でも実行力が高い人であれば、探索役と実行役を分けてチームで補い合う形に組み替えることで立て直せるケースが多くあります。

複数人のチームなら、適性のばらつきは問題になりませんか?

むしろチーム編成であれば、曖昧さ耐性が高い人と実行力が高い人を組み合わせることで、一人にすべての適性を求めずに済みます。全員が同じ適性である必要はありません。

新規事業担当者としての適性を見極めるには、どのくらいの期間が必要ですか?

面談だけで判断するのは難しく、実際に小さな検証サイクルを1〜3ヶ月程度回してもらった上で見極めるのが一つの目安です。仮説を立てて試し、学んで直すという一連の言動が実際に現れるかどうかを、短い期間の実務の中で確認することが有効です。

社内にエンジニアがいなくても、外部にAIプロダクト開発を依頼できますか?

可能です。当社では非エンジニアの担当者と一緒に仮説を整理し、小さなプロトタイプから検証を進める伴走支援を行っています。担当者不在を理由に検討自体を止める必要はありません。

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「新規事業に向いている人」は、経験やスキルの豊富さだけでなく、曖昧さに耐えながら小さく検証を回せるかどうかで見極める必要があります。社内に該当する人材が見つからない場合でも、外部の伴走支援を組み合わせることで、小さく検証しながら事業を前に進める道は残されています。まずは現状の担当者体制と課題を整理するところから始めてみてください。

監修・運営:オプティソース株式会社

Claude Codeを活用したAI・DXコンサルティングを行う専門会社。製造業向け調達プラットフォーム「NEWJI」の運営や、自社メディアのAI自動化実績をもとに、中小企業のAI活用を支援しています。

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