「HubSpotにチャットボット機能があるのは知っているが、実際にどう作ればいいのかわからない」という声を営業現場でよく耳にします。管理画面を開いてみたものの、チャットフローやトリガー設定といった専門用語に戸惑い、結局手をつけられないまま放置しているケースも少なくありません。この記事では、HubSpotチャットボットの作り方を、会話設計から公開設置までの実務ステップに絞って解説します。
HubSpotチャットボットとは何か|会話ボット機能の3つの種類と営業リード獲得での位置づけ
総務省が公表した令和7年版情報通信白書によると、生成AIの活用方針を定めている企業は大企業で約56%であるのに対し、中小企業では約34%にとどまり、20ポイント以上の差があります。さらに独立行政法人中小企業基盤整備機構が2026年3月に公表した「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」では、AI導入率は20.4%、導入検討中と合わせても39.0%にとどまり、業務分野別では総務・管理部門(68.3%)に次いで営業・販売・サービス部門で導入が進んでいるとされています。裏を返せば、営業領域は「導入余地はあるが、着手できていない企業」が多い分野だといえます。
HubSpotのチャットボット機能は大きく分けて、Webサイト来訪者からリードを獲得する「リード獲得ボット」、商談日程を自動で調整する「会議設定ボット」、既存顧客からの問い合わせに一次対応する「カスタマーサポートボット」の3種類があります。それぞれ会話設計や配置場所が異なりますが、本記事では営業リード獲得を目的としたボットの作り方に焦点を当て、実際の操作手順に沿って解説します。
Preparation
作成前に決めるべき「目的設定」|フォーム代替・一次対応・MTG予約のどれを目指すか
チャットボットを作り始める前に、最も重要なのは「何のためにボットを置くのか」を明確にすることです。既存の問い合わせフォームを代替して情報を対話形式で収集したいのか、営業時間外の一次対応として最低限の質問に答えられればよいのか、あるいは商談MTGの予約獲得までを自動化したいのかによって、会話の分岐設計も、収集すべき情報も、振り分け先の担当者も大きく変わります。目的を決めないまま画面上でチャットフローを組み始めると、途中で設計をやり直すことになり、結果的に公開までの時間が延びてしまいます。まずは「このボットで何を実現するのか」を一文で言語化してから着手することをおすすめします。
目的設定の段階からつまずいている方も、まだ検討段階でも構いません。現状の課題を伺いながらご提案します。
無料で相談するMisconceptions
hubspotチャットボット作りでよくある3つの誤解
誤解1:無料プランでも高度な分岐ができる。実際には、無料プランではシンプルな一問一答形式の会話フローに限定されており、条件分岐や担当者別の自動振り分けといった高度な機能は有料プラン(Sales Hub / Service Hub Professional以上)で解放されます。目的によっては、どのプランで何ができるかを事前に確認しておく必要があります。
誤解2:公開すればリードが自動で増える。実際には、ボットを設置しただけでは訪問者は会話を始めません。会話を始めたくなる導入メッセージの設計や、設置ページ・表示タイミングの調整が必要で、これらを怠るとボットは存在するだけで機能しません。
誤解3:一度作れば放置してよい。実際には、公開後に想定外の質問が寄せられたり、離脱が多い分岐が見つかったりすることが必ず起こります。定期的に会話ログを確認し、改善を重ねる運用体制が前提になります。
Process
hubspotチャットボットの作り方|会話設計から公開までの7ステップ
- 会話設計:ボットの目的に沿って、来訪者にどんな順番で何を尋ねるかをテキストベースで下書きする。
- チャットフロー作成:HubSpotの「会話」メニューからチャットフローを新規作成し、下書きした会話を画面上に反映させる。
- トリガー設定:どのページに訪問した来訪者にボットを表示するか、表示タイミング(即時/滞在秒数後)を設定する。
- 分岐設計:来訪者の回答内容によって次に表示する質問や案内先を条件分岐させる。
- 担当者振り分け:収集した情報(役職・課題・予算感など)をもとに、営業担当者へのチャット引き継ぎルールを設定する。
- CRMプロパティ連携:会話で得た回答をコンタクトのプロパティに自動保存し、後続のメール施策やリストセグメントに活用できるようにする。
- 公開設置:テスト会話で分岐漏れがないか確認したうえで、対象ページに公開設置する。
Comparison
自力で作る・代行に任せる|チャットボット構築3つのアプローチ比較
| 対応方法 | 特徴 |
|---|---|
| 自力で試行錯誤しながら構築 | コストはかからないが、会話設計や分岐ロジックの試行錯誤に時間を要し、公開まで数週間かかることもある。 |
| 無料テンプレートをそのまま流用 | 短時間で公開できる一方、自社の商材やターゲットに合わない質問構成のまま運用され、リード獲得の質が下がりやすい。 |
| オプティソースの設計・設定代行 | 目的設定から会話設計、CRM連携まで一括で対応し立ち上げが早いが、自社運用のノウハウが社内に残りにくい面もあるため、公開後の改善サイクルは並走支援を含めてご相談いただくことをおすすめしています。 |
Optimization
公開後の改善ポイント|会話ログ分析と応答精度の調整
チャットボットは公開して終わりではなく、むしろ公開後の運用こそが成果を左右します。まず確認すべきは会話ログです。どの質問で離脱が多いか、想定していなかった質問がどれだけ寄せられているかを定期的に見直し、分岐の追加や質問文言の調整を行います。想定外の質問が繰り返し寄せられる場合は、よくある質問への回答をあらかじめ用意しておく仕組みも有効です。関連する取り組みとして、HubSpotナレッジベース活用事例|自己解決を促し問い合わせ対応を仕組み化する方法では、チャットボットと合わせてナレッジベースを整備し、問い合わせ対応そのものを仕組み化する方法を紹介しています。ボット単体で完結させようとせず、周辺の仕組みと連動させることが応答精度向上の近道です。
FAQ
HubSpotチャットボットの作り方に関するよくある質問
料金プランによって作れるチャットボットの機能に差はありますか?
あります。無料プランではシンプルな一問一答形式の会話フローに限定され、条件分岐や担当者別の自動振り分けといった機能はSales Hub / Service Hub Professional以上の有料プランで利用可能になります。目的に応じて必要なプランを事前に確認しておくことをおすすめします。
既存の問い合わせフォームと併用することはできますか?
可能です。フォームを残しつつ、チャットボットは営業時間外の一次対応や、フォーム入力前の心理的ハードルを下げる窓口として併設するケースが一般的です。どちらか一方に置き換える必要はありません。
公開までの目安期間はどれくらいですか?
自力で会話設計から進める場合、目的の言語化から公開まで2〜4週間程度かかることが多いです。設計・設定を代行で依頼する場合は、要件のすり合わせを含めて1〜2週間程度で公開まで進められるケースもあります。
自社にHubSpotの操作に詳しい担当者がいなくても依頼できますか?
可能です。目的設定のヒアリングから会話設計、チャットフローの構築、CRMプロパティ連携、公開設置までを一括してご支援できます。公開後の会話ログ分析や改善提案まで含めてご相談いただけます。
HubSpotチャットボットは、目的設定さえ明確にすれば、会話設計からチャットフロー作成、トリガー設定、分岐設計、担当者振り分け、CRMプロパティ連携、公開設置という手順で着実に形にできます。ただし公開して終わりではなく、会話ログを見ながら改善を重ねる運用が成果を左右します。自力での構築に不安がある場合は、設計・設定の代行から改善運用までまとめてご相談ください。

