「ものづくり補助金に申請したいが、いつ何を準備すればいいのか分からない」と迷っていませんか。この補助金は2026年度(令和8年度)から「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」という名前で公募されるようになり、締切の日程も途中で変わりました。この記事では、経費の細かい区分ではなく、申請前の準備から採択後の報告まで「いつ・何を・どこに出すか」の順番に絞って、公式の資料をもとに整理します。
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この記事の結論
- 2026年度は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として公募されています。第1回の受付は2026年10月30日に終わりました。次の回の日程は、中小機構のスケジュールページで確かめます。
- 申請にはGビズIDプライムが要ります。書類で申し込むと審査に最大1か月かかるので、最初に手をつけます。
- 採択されても、交付決定(補助金を出すと正式に決まる通知)より前に発注・契約した経費は、補助の対象になりません。
- 事業が終わったあとも、5年間にわたって合計6回の事業化状況報告(事業の成果を事務局に知らせる報告)が続きます。最低賃金や給与の目標に届かないと、補助金の一部を返す場合があります。
2026年度は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として公募
中小企業基盤整備機構(中小機構)の補助金情報ページでは、ものづくり補助金は令和8年度から「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として公募されていると案内されています[1]。従来のものづくり補助金は2026年5月8日締切の23次が最後の受付で、総合サイトには「新規の受付は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金まで」と書かれています[6]。
新しい補助金には3つの枠があります。補助率と上限額、事業を行える期間は枠ごとに違います。
| 枠 | 対象になる取り組み | 補助率(中小企業) | 事業を行える期間 |
|---|---|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | 自社の技術を生かした新しい製品・サービスの開発 | 1/2(最低賃金引上げ特例で2/3。小規模事業者などは2/3) | 交付決定日から10か月以内 |
| 新事業進出枠 | 自社にとって新しい製品・サービスで、新しい市場に進出する取り組み | 1/2(最低賃金引上げ特例で2/3) | 交付決定日から14か月以内 |
| グローバル枠 | 輸出に向けた国内の体制づくり | 2/3 | 交付決定日から14か月以内 |
補助上限額は従業員数で変わり、革新的新製品・サービス枠は最大2,500万円(賃上げ特例を使うと最大3,500万円)、新事業進出枠は最大7,000万円(同じく最大9,000万円)です[4]。表の補助率と期間は中小機構の比較表と事務局サイトによります[2][4]。なお、革新的新製品・サービス枠は「新しい製品・サービスの開発」が対象で、機械やシステムを入れるだけの取り組みは対象外と明記されています[4]。
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Schedule
第1回公募の日程は途中で変わった
J-Net21が2026年7月7日に伝えた時点では、第1回の受付は8月31日に始まり、9月30日に締め切る予定でした[9]。その後、中小機構の公募スケジュールでは申請受付の開始が9月30日に、申請締切が2026年10月30日に変更され、採択発表は2027年1月ごろの予定とされています[3]。
| 項目 | 第1回公募の日付 |
|---|---|
| 公募開始 | 2026年6月29日 |
| 申請受付の開始 | 2026年9月30日(当初の予定は8月31日) |
| 申請締切 | 2026年10月30日18時(当初の予定は9月30日)。受付は終了[4] |
| 採択発表 | 2027年1月ごろの予定 |
第1回の受付はすでに終わっています[4]。次の回の日程は、決まりしだい中小機構のスケジュールページに載ります[3]。日付は途中で変わることがあるので、他のサイトの記事ではなく、このページで確かめるのが確実です。
参考までに、従来のものづくり補助金の23次締切では、申請者1,275者のうち448者が採択されました(約35%)[6]。新しい補助金は枠も要件も違うので、この割合がそのまま当てはまるわけではありません。23次は2026年5月8日に締め切られ、8月7日に採択結果が公表されました[1][6]。締切から発表までは3か月ほどあり、そのあとに交付申請と事業の期間が続きます。設備を使い始めたい時期がある場合は、この長さも計算に入れておきます。
Process
申請から事業化状況報告までの流れ
中小機構のページでは、手続きは「公募開始→電子申請→採択通知→交付申請・交付決定→事業実施→実績報告→補助金支払い→事業化状況報告(5年間)」の順に示されています[2]。それぞれの段階で何をするかを、時間の順に並べます。
申請まで
- GビズIDプライムを取る:電子申請に必要なアカウントです[2]。法人の代表者がマイナンバーカードを使うオンライン申請なら審査はすぐ終わりますが、書類で申し込むと審査に最大1か月かかります[8]。作れるのは法人代表者か個人事業主だけです[5]。
- 公募要領を読む:公募要領は、その回の申請のルールをまとめた冊子です。対象になる取り組み、経費、賃上げなどの要件は回ごとに決まります。事業終了後3〜5年の事業計画で、付加価値(会社が新しく生み出した価値。計算のしかたは公募要領に書かれています)を年平均4.0%以上、1人あたりの給与支給総額を年平均3.5%以上増やすことなどが求められます[4]。
- 電子申請する:事業計画を作り、締切までに電子申請システムで出します。
採択から事業の実施まで
- 採択の通知を受ける:採択は「補助金を受け取る候補になった」という段階で、まだ金額は決まっていません。
- 交付申請をする:見積書などをそろえて、あらためて申請します。
- 交付決定を受ける:ここで初めて発注・契約ができます。交付決定日より前に発注・契約した経費や、交付決定前に納品・支払いを済ませた経費は対象外です[5]。
- 事業を行う:枠ごとの期間内(10か月または14か月)に、発注から納品・検収(届いた物を確かめて受け取ること)・支払いまでを終えます[2][5]。
事業が終わってから
- 実績報告を出す:使った経費の証拠をそろえて報告し、検査を受けます。
- 補助金を受け取る:金額が確定したあとに請求し、入金されます。補助金は後払いなので、それまでの支払いは自社の資金で立て替えます。
- 事業化状況報告を続ける:事業が終わった年度の終了後を初回に、5年間で合計6回の報告が必要です[5]。
GビズIDの取り方とjGrantsでの申請の手順は「新規事業助成金の申請方法を5ステップで解説」で詳しく説明しています。
Planning
締切から逆算して準備する
受付が始まってから計画を考え始めると、締切までに材料がそろわないことがあります。申請の締切と、採択後の事業期間の両方から逆算して、社内の予定を組みます。
| 時期 | やること | 社内で決めておくこと |
|---|---|---|
| 公募開始の前後 | GビズIDプライムの手続き、公募要領を読む | どの枠で申請するか、誰が申請の担当になるか |
| 申請締切までの数週間 | 事業計画を書く、設備やシステムの見積を取る | 3〜5年の売上・付加価値・給与の計画、賃上げをどこまで約束できるか |
| 採択発表から交付決定まで | 交付申請の書類をそろえる | 発注先と納期、交付決定までは発注しないこと |
| 事業を行う期間 | 発注・納品・検収・支払いを期間内に終える | 補助金が入るまでの立て替えの資金 |
| 事業が終わってから5年間 | 実績報告、毎年の事業化状況報告 | 報告を受け持つ人と、決算書・賃金台帳をそろえる時期 |
特に見落としやすいのが立て替えの資金です。補助金は事業が終わり、実績報告を出したあとに支払われます[2]。それまでの設備やシステムの代金はいったん自社で払うので、金融機関への相談も含めて資金繰りを先に確かめておきます。従来のものづくり補助金の事業化状況報告では、直近の決算書や賃金台帳も出していたので[7]、経理の担当者にも早めに伝えておくと、報告の時期にも余裕をもって準備できます。
Pitfalls
流れの中でつまずきやすい3つの所
採択の時点で発注してしまう。採択の通知が届くと、すぐに設備を注文したくなります。しかし事務局のよくある質問では「本補助金では事前着手は認められていません」とはっきり書かれています[5]。発注・契約は交付決定の通知を受けてからにします。
実績報告で手続きが終わったと思う。補助金が入金されたあとも、事業化状況報告が5年間続きます[5]。従来のものづくり補助金では、報告をしないままにした場合も補助金の返還を求める対象になると案内されていました[7]。
計画の数字を高く書きすぎる。補助事業を行う事業場でいちばん低い時給(事業場内の最低賃金)の目標は毎年、1人あたりの給与の伸びは計画の最終年度に、届いたかを確かめられます。最低賃金は届かなかった年度ごとに返還を求められます(付加価値額が増えておらず会社全体が営業赤字の年や、天災などの場合は除く)。給与は最終年度に届かなかった割合に応じて、補助金の一部を返すよう求められます[5]。申請の時点で、続けられる数字かを確かめておきます。
Case Search
採択事例の探し方
同じ業種の会社がどんな計画で採択されたかを見ておくと、自社の計画を考えるときの目安になります。公式に公開されている主な情報源は次のとおりです。
| 情報源 | 分かること | 限界 |
|---|---|---|
| ものづくり補助金総合サイトの採択結果 | 締切回ごとの申請者数・採択者数と、採択者一覧(会社名と事業計画名)[6] | 計画の中身までは分からない |
| 新事業進出・ものづくり補助金の事務局サイト | 枠ごとの対象事業と、対象外になる例[4] | 2026年11月時点では、第1回の採択発表(2027年1月ごろ予定)前で採択者の情報がない |
採択者一覧は、自社と近い業種や取り組みの言葉で探すと見つけやすくなります。新しい補助金は対象になる取り組みが枠ごとに絞られているので、従来のものづくり補助金の事例を見るときは、今の枠の条件に当てはまるかも合わせて確かめます。一覧を見るときは、会社名より事業計画名に注目すると、どんな取り組みが採択されたかの見当がつきます。ただし従来の事例には、設備を入れて工程を改善する計画も含まれます。新しい革新的新製品・サービス枠では、そうした工程の改善は対象外です[4]。同じ地域・同じ業種の会社が何社も採択されている取り組みは、すでに広く行われている可能性があります。革新的新製品・サービス枠では、同業の中で相当程度広まっている製品・サービスの開発は対象外とされているので[4]、自社の計画のどこが新しいのかを説明できるようにしておきます。ほかの補助金と比べて選びたい場合は「新規事業立ち上げで使える補助金の種類」も参考になります。
FAQ
よくある質問
ものづくり補助金は2026年度もありますか?
従来のものづくり補助金は23次締切で受付を終え、2026年度からは「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として公募されています[1][6]。枠や要件が違うので、申請するときは新しい補助金の公募要領を読みます。
GビズIDはいつまでに取ればよいですか?
書類で申し込むと審査に最大1か月かかります[8]。申請を考え始めた時点で手続きを始めると安心です。すでにGビズIDプライムを持っていれば、作り直す必要はありません[5]。
採択されたら、すぐに設備を発注してよいですか?
いいえ。交付決定より前に発注・契約した経費は補助の対象になりません[5]。交付申請をして、交付決定の通知を受けてから発注します。
事業化状況報告は何年続きますか?
事業が終わった年度の終了後を初回として、5年間にわたり合計6回の報告が必要です[5]。
Sources
参考にした資料
- ものづくり補助金のご案内(中小企業基盤整備機構・2026年11月2日確認)
- 新事業進出・ものづくり補助金のご案内(中小企業基盤整備機構・2026年11月2日確認)
- 2026年度(R8年度)最新の小規模事業者・中小企業向け補助金スケジュール(中小企業基盤整備機構・2026年11月2日確認)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 事務局サイト(中小企業基盤整備機構・2026年11月2日確認)
- よくあるご質問(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 事務局・2026年11月2日確認)
- 採択結果(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金総合サイト・2026年11月2日確認)
- 事業化状況・知的財産権等報告(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金総合サイト・2026年11月2日確認)
- GビズID(デジタル庁・2026年11月2日確認)
- 「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」第1回公募要領を公開(J-Net21・2026年7月7日)

2026年度の補助金は名前が変わっただけでなく、枠や要件も見直されています。ただ、GビズIDを先に取ること、発注は交付決定のあとにすること、事業が終わってからも5年間の報告が続くことは、従来のものづくり補助金と同じです。締切から逆算して、GビズIDと事業計画の準備を先に進めておくと、受付が始まってから慌てずに済みます。補助金を使った設備やシステムの導入を考えている場合は、お気軽にご相談ください。

