会社でX・YouTube・noteなどを始めるとき、最初に迷うのが「アカウントをいくつ、どう分けるか」です。商品やサービスごとに作ると分かりやすく見えますが、数が増えるほど更新が追いつかなくなります。オプティソースでは2026年10月にSNSを始めるにあたり、アカウントを商品ではなく届ける相手で分けることにしました。この記事では、そのときに決めたことと理由を、公的な調査や各サービスの公式ヘルプとあわせて紹介します。
この記事の結論
- アカウントは商品ごとではなく、届ける相手ごとに分けます。当社は「製造業の現場の人」と「AIや事業づくりに関心がある人」の2つに分けました。
- 媒体は相手の年代と、話の長さで選びます。総務省の2025年度の調査では、Xの利用率は20代で73.4%、50代で40.2%と、年代で大きく違います。
- 会社名と別の名義で発信するときは、運営会社を明記しておくと、読む人が迷いにくくなります。広告にあたる投稿の扱いは、消費者庁のステルスマーケティングの案内で確かめます。
- 新しい媒体は、続けるかを決める日を先に決めてから始めます。
当社の分け方:相手ごとに2つ
| 名義 | 届ける相手 | 使っている媒体 |
|---|---|---|
| NEWJI総研(オプティソースが運営) | 製造業の購買・品質・設計に関わる人 | X・YouTube・TikTok・note |
| オプティソース(noteは編集部の名義) | AIや事業づくりに関心がある人 | note・X・YouTube |
NEWJI総研は、製造業の現場で役立つ調達・品質・設計の知識を、短い投稿や動画で届けています。オプティソース編集部のnoteでは「AIで回す小さな会社の記録」という連載を書いています。同じ会社が運営していても読む人がまったく違うので、名義を分けました。
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Why
商品ごとに分けなかった理由
商品ごとにアカウントを作ると、商品が増えるたびにアカウントも増えます。更新する人は同じなので、1つあたりの投稿は薄くなり、どれも中途半端になりがちです。フォローする人の多くは、商品の宣伝より、自分の仕事に役立つ話を求めているはずです。
届ける相手で分けると、投稿の中身が「その人が知りたいこと」で決まります。商品の話は、その中で必要なときにだけ出てくる形になります。その結果、1つのアカウントで話す内容がぶれにくくなります。
Data
媒体は相手の年代で選ぶ:総務省の利用率調査
どの媒体を使うかは、届けたい相手がその媒体を使っているかで決まります。総務省情報通信政策研究所が2026年6月に公表した「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を見ます[5]。13〜79歳の1,800人に、2025年12月に聞いたものです[1]。主なサービスの利用率は、年代で大きく違います。
| サービス | 全年代 | 20代 | 40代 | 50代 | 60代 |
|---|---|---|---|---|---|
| YouTube | 81.5% | 96.3% | 91.6% | 84.9% | 72.6% |
| X(旧Twitter) | 44.7% | 73.4% | 57.0% | 40.2% | 24.8% |
| 54.8% | 82.6% | 67.1% | 54.4% | 36.1% | |
| TikTok | 36.7% | 61.5% | 42.6% | 32.2% | 21.2% |
| 27.0% | 23.4% | 38.9% | 33.1% | 22.6% |
出典:総務省情報通信政策研究所(2026年6月公表)[1]。回答者は全年代1,800人、20代218人、40代298人、50代338人、60代274人です。
同じ調査で5年間の動きを見ると、全年代の利用率はXが2020年度の36.3%から44.7%に、TikTokが14.9%から36.7%に上がっています[1]。男女で差が大きいのはInstagramで、男性46.2%、女性63.4%でした[1]。媒体の使われ方は毎年変わるので、選ぶときは新しい調査の数字で確かめ直すと安心です。
YouTubeは50代でも84.9%が使っています。70代では48.5%まで下がりますが、Xの10.8%と比べると、年代による差は小さい媒体です[1]。Xは20代と60代で3倍近い差があります。たとえば40代から50代の人に届けたい場合、YouTubeは外しにくく、Xは「その中でもXを使う人」に届く媒体と考えておくと、期待しすぎずに済みます。なお、noteはこの調査の対象に入っていません。noteを選んだのは利用率ではなく、順を追って読んでもらう連載に向いているからです。
Channels
媒体は話の長さでも選ぶ
年代と並んで大事なのが、届けたい話の長さです。オプティソースは、AIや事業づくりの話をnoteの連載で届けています(XとYouTubeを加えた経緯は後の節で書きます)。NEWJI総研は、現場の知識を短く区切って届けやすいので、Xの短文、YouTubeとTikTokの短い動画、noteの読み物を組み合わせています。YouTubeのショート動画は、YouTubeの作成ツールで最大3分までの動画として作れます[4]。1本で1つの知識を伝える形にすると、短い動画にまとめやすくなります。
目につく媒体に全部手を広げるより、相手と中身に合う媒体だけに絞るほうが、少ない人数で続けやすくなります。1本の記事を動画やSNSの投稿に作り変える流れは「記事を動画化してSNSに展開する流れ」で紹介しています。
Checklist
アカウントを作る前に決める4つのこと
- 誰に届けるか:職種や関心で、相手を1つに絞ります。
- その人が知りたいことは何か:商品の説明ではなく、相手の仕事に役立つ話を考えます。
- どの媒体が合うか:相手の年代で使われている媒体か、短く区切れる話か、順を追って読ませたい話かで選びます。
- 古いアカウントを使うか:過去の投稿は新しく来た人にも読まれます。今の方針と合わないものが残っているなら、新しく始めるほうが安全です。
Timeline
媒体は、話の中身に合わせてあとから足す
始めた時点(2026年10月中旬)では、オプティソース名義の発信はnoteの連載だけにするつもりでした。AIや事業づくりに関心がある人には、短い投稿より、順を追って読んでもらうほうが合うと考えたからです。その後、連載を知ってもらう入口としてXを、作った仕組みを動画で見せる場所としてYouTubeを、10月中に加えました。届けたい中身が出てきたときに、それに合う媒体を足すほうが、手が回らなくなりにくいと感じています。なお、この2つは、続けるかを判断する日を決めずに足しています。
Name
別の名義で出すなら、運営会社と語り手の決まりを作る
NEWJI総研のように会社名と違う名義で発信するときは、どの会社が運営しているかをプロフィールなどに書いておきます。消費者庁は、2023年10月1日から、広告であることが一般の消費者に分からない広告(ステルスマーケティング)を、景品表示法(商品やサービスの広告・表示のルールを定めた法律)の違反としています[2]。規制の対象は、商品やサービスを売る事業者です[2]。自社の名義の発信がこれに当たるかは中身しだいで、ここで一律に判断することはできません。ただ、運営会社を書いておけば、読む人が「どこの会社の発信か」で迷いにくくなります。
YouTubeでは、会社などの名前でチャンネルを作ると「ブランドアカウント」になり、複数の管理者や所有者を設定できます[3]。担当者の個人アカウントだけにひもづけないでおくと、担当が替わったときにも引き継ぎやすくなります。
NEWJI総研では、フクロウのキャラクター「ホーさん」が語り手です。物知りで穏やかな工場の先輩、という口調を決めています。キャラクターに語らせると、「現場でこんなことがあった」という話を書きたくなります。ただ、キャラクターの体験談は実話に見えてしまいます。そこで、体験談は作らないと最初に決めました。別の名義で発信するときは、名義と一緒に「この語り手は何を話さないか」も決めておくと、書くたびに迷いにくくなります。
Trial
新しい媒体は、期限を決めて試す
NEWJI総研のTikTokは、2026年10月から、YouTubeショートの動画をもとに60日の期限を決めて試しています。NEWJI総研のnoteも、始めて1か月ほどで、続けるかどうかを判断する日を決めました。
媒体を増やすときは、始める前に「いつ、何を見て、続けるかを決めるか」を書いておきます。そうしておけば、その日が来たときに迷わず判断できます。投稿の企画から分析までを少ない人数で回す方法は「SNS投稿の企画・作成・分析を生成AIで自動化する方法」にまとめています。
FAQ
よくある質問
会社のSNSアカウントは、商品ごとに作るべきですか?
更新する人が限られるなら、商品ごとより、届ける相手ごとに作るほうが続けやすくなります。商品が1つしかない場合も、商品名ではなく「誰に届けるか」で中身を決めると、投稿の種類が尽きにくくなります。
BtoBの会社はどの媒体から始めればよいですか?
届けたい相手の年代で使われている媒体から選びます。総務省の調査では、YouTubeは50代でも84.9%が利用していて、Xは50代で40.2%でした[1]。そのうえで、話を短く区切れるか、順を追って読ませたいかで決めます。
会社名と別の名義で発信してもいいのですか?
当社のNEWJI総研のように、運営会社を明記したうえで別の名義を使う方法があります。届ける相手が会社の本業と違う場合に向いています。広告にあたる投稿の扱いは、消費者庁のステルスマーケティングの案内で確かめておきます[2]。
使っていない古いアカウントを、そのまま使ってもいいですか?
過去の投稿は、新しく来た人にもそのまま読まれます。使うなら、今の料金・サービス内容・約束と合わない投稿がないかを先に見直します。合わないものが多いなら、新しく作るほうが安全です。
Sources
参考にした資料
- 令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(概要)(総務省情報通信政策研究所・2026年6月)
- 令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。(消費者庁・2026年11月2日確認)
- YouTube チャンネルの作成(YouTube ヘルプ・2026年11月2日確認)
- YouTube ショートの作成を始める(YouTube ヘルプ・2026年11月2日確認)
- 「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表(総務省・2026年6月)
会社のSNSが続くかどうかは、アカウントの数より、1つのアカウントで何を話すかが決まっているかで変わります。当社は届ける相手でアカウントを分け、媒体は相手と話の中身に合わせて選び、必要になったら足しています。この形で、2つの名義を少ない人数で回しています。会社の発信を少ない人数で続けられる形にしたい場合は、お気軽にご相談ください。

