せっかく書いた記事が、検索から来た人にしか読まれていない。記事の中身を動画にして、SNSでも届けられないか。そう考えても、動画を作る手間や、どのSNSに何を出すかで迷って止まりがちです。この記事では、書いた記事を動画にしてYouTube・X・TikTok・noteへ広げる流れを、手順、分担、人が押す所に分けて整理します。各サービスの決まりごとは公式の説明で確かめています。あわせて、当社で記事から動画を作り、AIに作らせて人が公開した記録と、公開の当日に直した所を紹介します。
記事だけでは届かない人がいる
まず、動画やSNSがどれくらい使われているかを見ておきます。総務省情報通信政策研究所が2026年6月にまとめた調査(13〜79歳の1,800人が対象)では、全年代でYouTubeを使っている人は81.5%、TikTokは36.7%でした。同じ調査で、X(旧Twitter)は44.7%でした[1]。
記事は検索で探している人に届きますが、まだ探していない人には届きません。動画やSNSは、検索していない人が、流れてきたものを見る場所です。記事を動画にすると、同じ中身を、まだ検索していない人にも届けられるようになります。
なお、記事をメールマガジンやプレスリリース、ホワイトペーパーに作り直す方法は記事を別の形に作り直す仕組みの記事で紹介しています。この記事では、広げる先を動画とSNSに絞ります。
🛠 この記事のような集客の課題は、ご相談ください。記事の企画から制作、投稿、分析までを仕組みにします(相談は無料)。
Plan
始める前に、出す先ごとの役目を決める
記事を動画にしてSNSへ広げるとき、同じものをすべての場所にそのまま出すと、どこでも中途半端になりがちです。一般には、出す先ごとに役目を決めておくと、何を作ればよいかがはっきりします。
- 長い動画:記事の中身をまとめて伝える本体。じっくり見たい人向け
- 縦長の短い動画:長い動画の一部を切り出した入口。流れてきた人の目を止める役
- X:動画の一部を出して、本体へ案内する
- TikTok:縦長の短い動画をそのまま出す
- note:動画ではなく、読み物として届ける
YouTubeでは、2024年10月15日以降にアップロードした動画のうち、縦長か正方形で長さが3分以内のものはショート動画として扱われます[2]。短い動画を作るときは、この長さと形を基準にしておくと、YouTubeでの扱われ方を見込めます。
長い動画から短い動画を切り出すときは、一般に、その部分だけを見ても意味が通じるところを選びます。前の説明を見ていないと分からない場面を切り出すと、流れてきた人には何の話か伝わりません。1本の短い動画で伝えることを1つに絞り、最初の数秒で何の話かが分かるようにしておくと、見続けてもらいやすくなります。また、noteのような読み物の場では、記事をそのまま貼るより、見出しの立て方や話の運び方を読み物向けに直すほうが、読む場所の空気に合います。検索向けの記事は、答えを先に書き、見出しで探しやすくする形になっていることが多いのに対し、読み物の場では、最初から順に読み進めてもらう前提で書くほうが自然だからです。
Choose
動画にする記事の選び方
すべての記事が動画に向いているわけではありません。一般には、次のような記事から始めると、動画にしたときに伝わりやすくなります。
- 手順や流れを説明している記事:順番に見せる内容は、図と読み上げで伝えやすい
- よくある間違いや、比べて選ぶ内容の記事:短い動画で「ここを間違えやすい」と切り出しやすい
- テーマが近い記事が何本かある:まとめて1本の長い動画にでき、そこから短い動画を何本も切り出せる
反対に、細かい数字の表が中心の記事や、法令の条文を細かく読む記事は、動画では追いにくくなります。こうした記事は、動画では要点だけを伝え、詳しくは記事を読んでもらう形にすると無理がありません。
選ぶときは、検索でよく読まれている記事から始めるのも1つの方法です。すでに読まれている中身なら、動画にしても関心を持たれやすく、動画から記事へ戻ってきた人にも読みごたえがあります。
Our Case
当社で、4本の記事から長い動画と縦長の動画を作った
当社で、4本の記事から4分半の長い動画を作り、そこから30秒の縦長の動画を4本切り出しました。
YouTubeでは、短い動画の関連動画に長い動画を設定して、短い動画から長い動画へ流れるようにしました。
Xには長い動画の冒頭1分ほど、TikTokにはまず縦長の動画1本、noteには記事を読み物の形に直して出しました。
作るのはAIに任せ、公開のボタンは人が押します。
YouTube
短い動画から長い動画へ人を流すYouTubeの設定
YouTubeのショート動画には「関連動画」を追加できます。YouTubeのヘルプによると、ショート動画をアップロードしたあとに関連動画を追加すると、ショート動画の画面で自分の動画、ショート動画、ライブ配信を紹介できます。関連動画は、チャンネル名の下に押せるリンクとして表示されます。追加できるのは上級者向け機能を使えるユーザーで、選ぶ動画は公開か限定公開である必要があります[3]。
短い動画は流れてきた人に見てもらう入口、長い動画は中身を伝える本体、と役目を分けるなら、この関連動画の設定が2つをつなぐ線になります。短い動画だけを作って終わりにすると、興味を持った人が次に何を見ればよいか分からないまま離れてしまいます。
数字の見方にも気をつけます。YouTubeは、2025年3月31日からショート動画の視聴回数の数え方を変え、再生が始まった回数を視聴回数として数えるようにしたと説明しています[4]。それより前の数字と並べて比べるときは、数え方が違うことを頭に入れておきます。
記事として持っている知識を、解説動画にしてYouTubeに出す仕組みについて、今ある記事からご相談いただけます。
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AIに任せる所と、人が押す所を分ける
記事から動画を作る作業は、台本、読み上げ、場面の絵、字幕、編集と、手順が多くあります。AIに任せると、この手順をまとめて短い時間で進められます。一方で、公開してしまうと取り消しても見た人の記憶には残ります。だから、公開の操作は人が持つ、という分け方が基本になります。
AIで作った動画には、YouTubeの決まりもあります。YouTubeは、AIで作ったり大きく変えたりした中身が本物のように見える場合は、アップロードのときにそのことを示すよう求めています。例えば、実在の人が言っていないことを言っているように見せるものや、現実に起きていない場面を本物らしく作ったものです。一方で、台本や字幕をAIで作るといった軽い制作の手助けや、現実にはありえない表現は、示さなくてよい例として挙げられています[5]。
人が公開のボタンを押す前に、一般には次の点を見ておきます。
- 中身が記事と合っているか:数字や言い回しが記事と食い違っていないか
- 見た目が崩れていないか:字幕や図の文字が欠けたり、はみ出したりしていないか
- AIの使用を示す必要があるか:本物のように見える場面を作っていないか
- 出す先ごとの形になっているか:縦長・横長、長さが出す先に合っているか
Lessons
公開の当日に直した、見た目の不具合
当社では、公開の当日、見た目の不具合を2か所直しました。字幕の強調が2行にまたがって文字が消えた所と、図の文字が枠からはみ出した所です。
こうした不具合は、文字の量や改行の位置によって起きるため、作る仕組みが同じでも、中身が変わるたびに起こりえます。一般には、公開の前に、実際に見る画面の大きさで最初から最後まで通して見ることで見つけやすくなります。とくに縦長の短い動画はスマートフォンで見られることが多いので、手元のスマートフォンで再生して確かめておくと安心です。
After Release
公開したあとに見ておくこと
動画やSNSは、出したあとの数字を見て、次に何を作るかを決めます。一般には、次の3つを分けて見ると、どこで止まっているかが分かります。
- 入口で見られているか:短い動画やSNSの投稿が、どれくらい見られているか
- 本体へ流れているか:短い動画から長い動画へ、SNSから記事やサイトへ、どれくらい人が移っているか
- サイトで何が起きたか:動画やSNSから来た人が、記事を読んだり、資料や問い合わせに進んだりしているか
入口では見られているのに本体へ流れていないなら、関連動画の設定や、動画の終わり方を見直します。本体には来ているのにサイトへ来ないなら、説明欄や投稿の文章での案内を見直します。出す先ごとに数字の数え方が違うので、同じ「再生回数」でも、サービスどうしでそのまま比べないようにします。
Comparison
出す先ごとの役目と出し方を比べる
| 出す先 | 出すもの | 役目 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| YouTube(長い動画) | 記事の中身をまとめた横長の動画 | 中身を伝える本体 | 短い動画から流れてくる先になる。説明欄から記事へ案内する |
| YouTube(ショート動画) | 長い動画から切り出した縦長の短い動画 | 流れてきた人の目を止める入口 | 関連動画に長い動画を設定する。縦長か正方形で3分以内 |
| X | 長い動画の一部 | 本体へ案内する | 動画の一部だけで意味が通じるところを選ぶ |
| TikTok | 縦長の短い動画 | まだ探していない人に届ける | スマートフォンの画面で見た目を確かめる |
| note | 記事を読み物の形に直したもの | 文章でじっくり読みたい人に届ける | 元の記事の写しにせず、読み物として読める形に直す |
| 記事から解説動画を作る仕組みを外に任せる | 台本・読み上げ・場面の絵・字幕・編集 | 社内に動画を作る人がいなくても続ける | 中身の確認と公開の判断は人が行う。どこまで任せるかを最初に決める |
Sources
参考にした資料
FAQ
記事の動画化とSNS展開についてよくある質問
1本の記事から動画を作るべきですか、何本かまとめるべきですか?
決まりはありません。当社では、4本の記事から4分半の長い動画を作り、そこから30秒の縦長の動画を4本切り出しました。記事1本の中身が短いなら、関係する記事をまとめて1本の動画にする方法があります。
ショート動画は何分までですか?
YouTubeでは、2024年10月15日以降にアップロードした、縦長か正方形で3分以内の動画がショート動画として扱われます。他のSNSは長さの決まりが違うので、出す先ごとに確かめます。
短い動画から長い動画へ、どう人を流せばよいですか?
YouTubeでは、ショート動画に関連動画を追加できます。当社でも、短い動画の関連動画に長い動画を設定しました。設定できるのは上級者向け機能を使えるユーザーで、選ぶ動画は公開か限定公開である必要があります。
AIで作った動画は、そのことを示す必要がありますか?
YouTubeでは、AIで作ったり大きく変えたりした中身が本物のように見える場合に、示すことを求めています。台本や字幕をAIで作るといった軽い手助けは、示さなくてよい例に挙げられています。
全部を自動で公開してもよいですか?
当社では、作るのはAIに任せ、公開のボタンは人が押しています。公開の当日に見た目の不具合を2か所直したこともあり、公開の前に人が通して見る所を残しておくのがおすすめです。
記事を動画にしてSNSへ広げるときは、出す先ごとに役目を決め、長い動画を本体に、短い動画を入口にして、関連動画の設定でつなぎます。作るのはAIに任せても、公開の前に人が中身と見た目を確かめ、公開のボタンは人が押す。この分け方にしておくと、本数が増えても崩れにくくなります。当社は、記事として持っている知識を解説動画にしてYouTubeに出す仕組みとして、台本や読み上げ、場面の絵、字幕と編集、説明欄からサイトへ人を呼ぶ道筋づくりまでを、続けてお引き受けしています。

