「LLMO対策をしないと、AIの時代に取り残される」。そんな案内を受けて、何をすればよいのか迷っている方も多いと思います。LLMO、AIO、GEOと似た言葉がいくつも出てきて、しかも説明する会社ごとに意味が少しずつ違います。この記事では、まず言葉の違いを表で整理します。そのうえで、Googleが公式に説明していることと、だれにも確かめられないことを分け、BtoBの中小企業がChatGPTやGoogleの「AI による概要」に自社を取り上げてもらうために、どこから手を付ければよいかをまとめます。
この記事の結論
- LLMO・AIO・GEOは、相手にするAIの違いで呼び分けた言葉です。実際にやることは大部分が重なります。
- Googleは、「AI による概要」に載るために特別な最適化やAI用のファイルは要らないと説明しています。基本はこれまでのSEOと同じです。
- まず検索ロボットを締め出していないかを確かめ、次に会社とサービスの情報を文字で書きます。そのうえで、よく聞かれる質問に1問ずつ答えるページと、書いた人の紹介を足し、最後に数字で見る仕組みを作ります。
- AIの答えに載ることは保証されていません。「必ず載る」「〇%増える」という話には、測り方と比べる相手を聞きます。
- 効果は、Search Consoleの数字、問い合わせなどの成果、AIへの定点観測を組み合わせて、数か月の流れで見ます。
AIが答えを出し、その下に会社のページが並ぶようになった
調べものをするとき、検索結果の一番上にAIがまとめた答えが出ることが増えました。Googleはこの機能を「AI による概要」(英語名はAI Overviews)と呼び、2024年8月16日に、日本を含む6か国への提供拡大と各国の言語への対応を発表しています[1]。この答えの横や本文の中には、根拠になったウェブサイトへのリンクが表示されます[1]。
ChatGPTにも、ウェブを検索して答える機能があります。OpenAIは、ChatGPTの検索結果にサイトを表示するために使うロボット(ウェブを自動で見て回るプログラム)を「OAI-SearchBot」と名付け、その扱い方を公開しています[3]。
BtoBの取引でも、発注先を探す担当者が「〇〇を頼める会社」をAIに聞く場面が出てきました。その答えに自社が出てくるかが気になるというのが、LLMO対策という言葉が広まった背景です。
ただし、この分野には「これをすれば必ず載る」という公式の手順はありません。
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Overview
LLMOとは:AIの回答に自社の情報を使ってもらうための工夫
LLMOは「Large Language Model Optimization」の頭文字です。LLM(大規模言語モデル)は、ChatGPTやGeminiの中で文章を作っている仕組みのことです。LLMO対策とは、こうしたAIが答えを作るときに、自社のページや情報を参考にしてもらい、名前やリンクを出してもらうための工夫を指します。
似た言葉として、AIO、GEO、AEOがあります。どれも同じような取り組みを、少しずつ違う角度から呼んだ言葉です。主な違いを表にまとめます。
| 言葉 | 元の英語 | 主に何を相手にするか | 出どころ・注意点 |
|---|---|---|---|
| LLMO | Large Language Model Optimization | ChatGPT・Gemini・Claudeなど、文章を作るAI全般 | 決まった定義を出している団体は見当たりません |
| AIO | AI Optimization、またはAI Overviews対策 | AI全般、またはGoogleの「AI による概要」 | 人によって指す範囲が違います。話をするときは、どちらの意味か最初に確かめると誤解が減ります |
| GEO | Generative Engine Optimization | AIで答えを作る検索の仕組み | 2023年11月に公開された研究論文で名付けられた言葉です[4] |
| AEO | Answer Engine Optimization | 質問に直接答える仕組み(音声で答えるサービスやAI検索など) | 決まった定義を出している団体は見当たりません。LLMOとほぼ同じ意味で使われることもあります |
| SEO | Search Engine Optimization | Googleなどの検索エンジン | Googleは、AIの機能にも従来のSEOの基本がそのまま当てはまると説明しています[2] |
言葉の違いは、相手にするAIの違いがほとんどです。実際にやることは大部分が重なるので、この記事ではまとめてLLMO対策と呼びます。
なお、GEOを名付けたAggarwalらの論文は、2024年のKDD(データ分析の分野の国際学会)に採択されています。この論文では、実験用に用意した質問とウェブページの組み合わせで試したところ、書き方を工夫すると、AIの答えの中での見え方が最大40%よくなったと報告されています[4]。効く工夫は分野によって違うとも書かれており[4]、自社のページにそのまま当てはまる数字ではありません。
What Google Says
Googleの公式説明で確かめられること
Googleのウェブサイト運営者向けの案内(Google 検索セントラル)には、「AI 機能とウェブサイト」というページがあります[2]。2026年11月時点の内容から、要点を抜き出します。
特別な対策は要らない、と書かれている
このページには、「AI による概要」や「AI モード」に載るために、追加の要件や特別な最適化は必要ない、と書かれています[2]。AIのために新しく機械が読むためのファイルやAI用のテキストファイル、特別なマークアップ(ページに機械向けの目印を書き足すこと)を作る必要もない、と明記されています[2]。
載るための最低条件は、ふつうの検索と同じ
AIの答えの根拠としてリンクが表示されるには、ページがGoogleに登録(インデックス)されていて、検索結果に説明文(スニペット)を出せる状態であることが必要です[2]。ただし、条件を満たしても、表示されることは保証されないとも書かれています[2]。
Googleが挙げている基本の手入れ
同じページでは、次のような点が挙げられています[2]。
- ロボットがページを見に来られるようにしておく(ロボットに見てよい所・いけない所を伝えるファイル robots.txt だけでなく、サーバーや配信の仕組みの設定も含めて)
- サイトの中のリンクから、ページを見つけやすくしておく
- 大事な内容は文字で書く(画像の中だけに書かない)
- 構造化データ(ページの内容を機械向けに書き添える仕組み)を使うなら、ページに見えている文章と食い違わないようにする
- Googleビジネスプロフィールなどの情報を最新に保つ
2025年5月21日にGoogleのJohn Mueller氏が書いた公式ブログでも、人のために独自性と価値のある内容を作ること、読みやすいページにすること、などが挙げられています[7]。どれも、これまでのSEOで言われてきた基本と同じです。
効果はSearch Consoleの「ウェブ」に含まれる
AIの機能から来たアクセスは、Search Console(Googleが無料で出している、検索での表示回数やクリック数を見る道具)の検索パフォーマンスのレポートで、検索の種類が「ウェブ」の数字に含まれると説明されています[2]。この文書には、AIの機能から来た分だけを分けて見る方法は書かれていません。
載せたくないときの止め方もある
反対に、AIの答えに使われたくないページは、noindex(登録しない指示)やnosnippet(説明文を出さない指示)などで制限できます[2]。また、「Google-Extended」という指定は、GeminiなどのAIの学習に使わせるかどうかを決めるもので、Google検索への掲載や順位には影響しないと書かれています[6]。学習に使われたくないからといって、検索に載らなくなる設定をしてしまわないよう注意が必要です。
Uncertainty
確かめられないこと:効果は約束されていない
一方で、だれも公式に約束していないこともあります。売り込みでこうした話が出たら、根拠を聞きましょう。
| よく聞く話 | 公式の説明で確かめられるか | どう受け止めるか |
|---|---|---|
| この対策をすればAIの答えに載る | 確かめられません。Googleは条件を満たしても表示は保証されないと書いています[2] | 「載る確率を上げる工夫」として聞き、約束としては受け取らない |
| llms.txtを置けば引用される | Googleの「AI 機能とウェブサイト」には、AI用のテキストファイルは不要と書かれています[2] | 置くのは自由ですが、Googleでの効果を期待する根拠にはなりません |
| 専用の構造化データを入れればAIに選ばれる | 特別な構造化データは要らない、と書かれています[2] | 入れるなら、見えている文章と一致させることが前提です |
| 表示回数が〇%増える | 研究では実験の条件の中で最大40%という結果があります[4]が、自社の結果は分かりません | 数字を約束する話には、測り方と比べる相手を聞く |
| ChatGPTの引用元はこう選ばれる | OpenAIが公開しているのは、ロボットの許可・拒否の方法までです[3] | 選び方の中身は外から確かめられないと考える |
llms.txtについて補足します。これは2024年9月にJeremy Howard氏が提案した仕組みで、サイトの入口(/llms.txt)にMarkdownという書き方でサイトの要点とリンクをまとめておき、AIに読みやすくしてもらおうというものです[8]。Googleでの扱いは上の表のとおりなので、先にふつうのページを整えるほうが確実です。
AIの答えは、同じ質問でも聞くたびに変わることがあります。Googleも、「AI による概要」と「AI モード」では使う仕組みが違うため、答えやリンクが違う場合があると説明しています[2]。ある日に一度聞いて載っていた・載っていなかったという結果だけで、対策が効いたかどうかは判断できません。
Process
BtoBの中小企業がLLMO対策で手を付ける順番
ここまでを踏まえると、中小企業がやることは「AIが読みに来られて、読んだときに自社のことが正しく分かるページを用意しておく」ことに尽きます。次の順番で進めます。
- ロボットを締め出していないか確かめる:Search Consoleで主なページが登録されているかを見ます。ChatGPTの検索に出たい場合は、robots.txtでOAI-SearchBotを拒否していないかも確かめます。OpenAIは、検索に出るにはOAI-SearchBotを許可することを勧めています[3]。学習に使われたくない場合は、別のロボット(GPTBot)だけを拒否することもできます[3]。
- 会社とサービスの基本情報を、文字で1か所にまとめる:何をしている会社か、だれ向けか、どの地域に対応するか、どんな流れで頼めるかを、会社概要やサービスのページに文章で書きます。パンフレットの画像やPDFの中にしか書いていない情報は、読み取られにくくなります。
- お客様からよく聞かれる質問に、1ページずつ答える:AIに聞く人は、長く具体的な質問をする傾向があるとGoogleも書いています[7]。営業の場でよく聞かれる質問を書き出し、自社の経験をもとに答えるページを作ります。Googleも、ほかのページをまとめ直しただけでなく、独自の情報や価値を加えることを勧めています[5]。
- だれが書いたかを明らかにする:Googleは、良い内容を見分ける目安として「経験・専門性・権威性・信頼性」(E-E-A-T)を挙げ、なかでも信頼性が最も大事だとしています[5]。書いた人の名前と経歴、会社の連絡先を載せます。
- 数字で見る仕組みを先に作る:Search Consoleの数字に加え、問い合わせや資料の申し込みといった成果を記録します。Googleも、クリック数だけでなく、問い合わせや申し込みなどの成果で価値を見るよう勧めています[7]。
3つ目の「質問に答えるページ」は、そのまま問い合わせにつながる入口にもなります。営業や技術の担当者からよく聞かれる質問を集め、1〜2人で記事を書き続ける体制の作り方は、BtoBの中小企業がオウンドメディアを始める記事にまとめています。記事を読んだ人に実務で使える書式を無料で配り、見込み客の連絡先(リード)が届くようになった流れは、BtoBのリード獲得の記事で紹介しています。AIで書いた文章がGoogleでどう扱われるかが気になる方は、AIライティングとSEOの記事もあわせてご覧ください。
Measurement
効果の見方と、外に頼むときに確かめること
LLMO対策の効果は、次の3つを組み合わせて見るのが現実的です。
- Search Consoleの数字:AIの機能から来た分を含む検索全体の表示回数とクリック数です[2]。
- サイト上の成果:問い合わせ・資料の申し込み・電話などの件数です。
- AIへの定点観測:自社に関係する質問を10個ほど決め、月に1回ChatGPTやGoogleで聞いて、自社が出たかを記録します。1回の結果ではなく、数か月の流れで見ます。
Search Consoleの数字を毎日自動で取り出して点検する方法は、GA4とSearch Consoleのレポートを自動化する記事で紹介しています。
外の会社にLLMO対策を頼む場合は、次の点を確かめておきましょう。
- やることの中身が、Googleの公式説明のどこに当たるのか
- 「載る」「増える」と言うとき、何を、どう測って、何と比べるのか
- llms.txtや専用ファイルなど、公式に効果が説明されていない作業にいくら払うことになるのか
FAQ
LLMO対策についてよくある質問
LLMO・AIO・GEOの違いは何ですか?
どれも、AIが作る答えに自社の情報を使ってもらうための工夫を指す言葉です。LLMOは文章を作るAI全般、AIOはAI全般またはGoogleの「AI による概要」、GEOはAIで答える検索の仕組みを主な相手にしています。LLMOとAIOには決まった定義を出している団体はなく、GEOは2023年の研究論文で名付けられた言葉です。どれも実際にやることは大部分が重なります。
AIO対策とは、具体的に何をすることですか?
Googleの「AI による概要」を指す場合、Googleは特別な対策は要らないと説明しています。ページが登録されていて検索結果に説明文を出せる状態にし、人のために役立つ内容を文字で書くことが基本です。
llms.txtは置いたほうがよいですか?
置くのは自由ですが、GoogleはAI用のテキストファイルは不要と説明しています。先に会社概要やサービスのページを文章で整えるのがおすすめです。
少人数の会社でも、続けられますか?
中身はSEOの基本と大部分が重なるため、すでにホームページを更新している方が、その延長で始められます。負担になりやすいのは、記事を書き続けることと数字を見続けることです。ここは、記事づくりの手順を決めておく、数字を自動で取り出すなど、仕組みにすると続けやすくなります。
Sources
参考にした資料
- Google Japan Blog「AI による概要」の提供拡大に関する発表(2024年8月16日)
- Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」(最終更新 2025年12月31日・2026年11月確認)
- OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」(2026年11月確認)
- Pranjal Aggarwal ほか「GEO: Generative Engine Optimization」arXiv(2023年11月初版・KDD 2024採択)
- Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」(最終更新 2026年10月7日・2026年11月確認)
- Google for Developers「Google の一般的なクローラー」Google-Extended の項(最終更新 2026年10月19日・2026年11月確認)
- John Mueller「Top ways to ensure your content performs well in Google’s AI experiences on Search」Google Search Central Blog(2025年5月21日)
- Jeremy Howard「The /llms.txt file」llmstxt.org(2024年9月3日提案)
LLMO・AIO・GEOは、AIの答えに自社の情報を使ってもらうための工夫を、相手にするAIの違いで呼び分けた言葉です。Googleは特別な対策は要らないと説明しており、確かめられるのは、ページが登録されていること、文字で中身が書かれていること、だれが書いたかが分かることといった基本です。AIの答えに載ることはだれにも約束できないので、問い合わせなどの成果とあわせて、数か月単位で見ていくのが現実的です。当社では、質問に答える記事を書き続ける仕組みや、数字を毎日点検する仕組みづくりをご相談いただけます。

