記事を外に頼もうとすると、1文字いくらの見積もあれば、1本いくら、月いくらの見積もあり、どれが高いのか安いのかが分かりにくくなります。同じ「記事1本」でも、何を頼むかで中身が大きく違うからです。この記事では、記事作成代行の料金の型ごとの違い、見積で確かめること、そしてライターに直接頼むときの法律の決まりと、記事の著作権の扱いを整理します。
この記事の結論
- 料金の型は「文字単価」「記事単価」「月額制」に分かれます。どの型でも、構成づくり・事実確認・入稿(サイトへの登録)まで含むかで中身が変わるので、範囲をそろえて比べます。
- クラウドソーシングのクラウドワークスは、「アフィリエイトブログの記事作成(専門知識の必要なし)」の発注相場を「1円〜/文字」と案内しています(2026年11月2日確認)。会社の記事にそのまま当てはまる金額ではありません。同じページは、専門性が高い作業ほど報酬が高くなる傾向があるとしています。
- 従業員を使わない個人のライターなどに仕事を頼むときは、フリーランス法で、仕事の内容・報酬の額・支払期日などを書面かメールなどで示すことが求められます。
- 記事の著作権を自社に移したいときは、契約で「著作権を譲渡する」と書きます。翻案(書き直し・作り変え)などの権利(著作権法第27条・第28条)は、はっきり書かないと書いた側に残るものと扱われます。
料金の型は3つ:文字単価・記事単価・月額制
| 型 | 払い方 | 向いている頼み方 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 文字単価 | 書いた文字数×1文字あたりの単価 | 書く内容と構成が決まっていて、執筆だけを頼む | 文字数を増やすほど費用が増える。長さと中身の良さは別の話 |
| 記事単価 | 1本あたりの決まった額 | 構成づくりや画像の用意まで、1本ごとにまとめて頼む | 1本に何が含まれるか(構成・事実確認・修正の回数)を確かめる |
| 月額制 | 月ごとの決まった額で、本数や作業をまとめて頼む | 毎月決まった本数を続けて出したい | 本数・作業の範囲・使わなかった分の扱いを確かめる |
相場の目安として、クラウドソーシングのクラウドワークスは、発注者向けの相場の案内で、記事・Webコンテンツ作成のうち「アフィリエイトブログの記事作成(専門知識の必要なし)」を「1円〜/文字」、記事のチェック・校正と入稿を「3,000円〜/記事」、指定したキーワードからの記事構成の企画を「1,000円〜/記事」としています[1]。同じページは、専門性が高い作業ほど報酬が高くなる傾向があるとも説明しています[1]。これは1つのサービスでの発注の目安です。「1円〜/文字」はアフィリエイトブログ向けの項目の値で、会社の記事にそのまま当てはまる金額ではありません。制作会社に頼む場合や、専門的な内容の記事では金額が変わります。
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Scope
同じ「記事1本」で費用が変わる理由
費用の差は、書く作業そのものより、その前後の作業をどこまで頼むかで生まれます。見積を比べる前に、次の作業が含まれているかを確かめて、条件をそろえます。
| 作業 | 中身 | 含まれないときに自社でやること |
|---|---|---|
| テーマと構成づくり | 何について、どの見出しの順で書くか | 構成案を自社で作ってから渡す |
| 事実確認 | 数字・制度・引用を元の資料で確かめる | 納品された記事の出典を自社で開いて確かめる |
| 取材 | 社内やお客様に話を聞く | 自社で聞いたことをメモにまとめて渡す |
| 画像・図 | 写真、図、表の作成 | 自社で用意するか、別に頼む |
| 入稿と修正 | サイトへの登録、修正の回数 | 修正が何回まで料金に入るかを確かめる |
とくに事実確認は、記事の信頼に直結します。Googleは、情報を伝えるページは事実に基づいて正確である必要があるとしています[2]。安い見積で事実確認が含まれていないなら、その分の手間は自社にかかります。
Freelance
個人のライターに頼むときの決まり:フリーランス法
「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス法)は、従業員を使わない個人や、社長1人だけで従業員もいない会社に仕事を頼むときの決まりを定めています[3]。会社が事業のために記事の作成を頼むことは、この法律でいう「情報成果物の作成」の委託に当たります[3]。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 取引条件の明示(第3条) | 仕事を頼んだら直ちに、仕事の内容・報酬の額・支払期日などを、書面かメールなどの電磁的方法で示す |
| 支払期日(第4条) | 従業員を使う会社や個人事業主(役員が2人以上の会社も含む)が頼む場合、納品を受け取った日から60日以内の、できる限り短い期間で支払期日を決める |
| 禁止される行為(第5条) | 従業員を使う発注者(役員が2人以上の会社も含む)が、一定の期間以上続く仕事を頼んだ場合は、ライターに責任がないのに受け取りを拒む、報酬を減らす、通常よりかなり低い報酬を不当に決める、などが禁止される |
表は条文の要約です[3]。クラウドソーシングで頼む場合も、相手が個人で従業員がいなければ、この法律の対象になりえます。法律で示すことになっている事項(公正取引委員会の規則で決まっています)に加えて、本数・文字数・修正の回数なども書いておくと、あとで食い違いが起きにくくなります。
Copyright
記事の著作権:「譲渡」と第27条・第28条を書く
著作権法は、著作物を作った人(著作者)が著作権を持つとしています(第17条)[4]。頼んで書いてもらった記事の著作権も、契約で決めないと、書いた側に残ります。社員が仕事として書いたものでも、会社の著作になる(第15条)のは、会社の名前で公表するなどの条件を満たす場合に限られます[4]。依頼した会社の名前で出す記事では、この条件に当たらないこともあります。制作会社に頼むときは、社員や外部のライターの分も含めて、制作会社が権利を持っていて譲り渡せるかを確かめます。同じ法律は、著作権はその全部または一部を譲渡できるとしたうえで、譲渡の契約で第27条(翻訳・翻案などの権利)と第28条(元の記事をもとに作ったものを利用する権利)が譲渡の目的としてはっきり書かれていないときは、これらの権利は譲渡した側に残るものと推定する(反対の取り決めが示されなければ、そう扱われる)と定めています(第61条)[4]。
あとで記事を書き直したり、動画や資料に作り変えたりする予定があるなら、契約に「著作権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む)を譲渡する」と書いておきます。著作者人格権(名前を出すかどうかや、勝手に変えられない権利)は、書いた本人だけのもので、譲渡できません(第59条)[4]。そのため、契約で「行使しない」と取り決める方法もあります。どこまで決めるかは、契約書のひな形を作るときに専門家に確かめると安心です。
AI
AIを使う代行に頼むときに確かめること
AIで下書きを作る代行サービスもあります。Googleのスパムに関するポリシーが問題にしているのは、AIを使うことそのものではなく、生成AIツールなどを使って、ユーザーにとっての価値を加えずに大量のページを作ることです[5]。AIで作った文章の扱いについては、文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」も、AIで作ったものを使う前に、既存の著作物と似ていないかを確かめるよう求めています[6]。
AIを使う代行に頼むときは、人がどこで事実と中身を確かめるのか、既存の記事と似ていないかをどう確かめるのかを聞いておきます。AIで記事づくりの手間を減らすときの注意は「オウンドメディアのSEO記事をAIで自動化する方法と注意点」でも紹介しています。
Checklist
発注前に決める5つのこと
- 頼む範囲:構成づくり・事実確認・取材・画像・入稿のどこまでを頼むか。
- 本数と長さ:月に何本、1本あたりの目安の文字数。
- 修正の回数と基準:何回まで料金に入るか、何を基準に直してもらうか。
- 報酬と支払日:従業員を使わない個人などに頼むなら、フリーランス法に沿って書面かメールなどで示す[3]。
- 著作権:譲渡するか、第27条・第28条の権利を含むかを契約に書く[4]。
運用ごと外に頼む場合の範囲の決め方はオウンドメディア運用代行の記事で、自社でやることと外に頼むことを分ける考え方は「中小企業のSEO対策は何から始める?」で紹介しています。
FAQ
よくある質問
記事作成代行の相場はいくらですか?
頼む範囲で大きく変わります。目安の1つとして、クラウドワークスは「アフィリエイトブログの記事作成(専門知識の必要なし)」を「1円〜/文字」としています(2026年11月2日確認)[1]。会社の記事にそのまま当てはまる金額ではありません。構成づくりや事実確認、取材を含むと金額は上がるので、範囲をそろえて見積を比べます。
個人のライターに頼むときに必要な手続きはありますか?
相手が従業員を使わない個人などなら、フリーランス法で、仕事を頼んだら直ちに、仕事の内容・報酬の額・支払期日などを書面かメールなどで示すことが求められます[3]。
納品された記事の著作権は誰のものですか?
契約で譲渡を決めないと、書いた側に残ります[4]。制作会社に頼むときは、社員や外部のライターの分も含めて、制作会社が権利を持っていて譲り渡せるかを確かめます。譲渡の契約でも、第27条・第28条の権利がはっきり書かれていなければ、書いた側に残るものと扱われます[4]。
AIを使う代行サービスに頼んでも大丈夫ですか?
Googleのスパムポリシーが問題にしているのは、価値を加えずに大量のページを作ることです[5]。人がどこで事実と中身を確かめるのかを聞いておきます。
Sources
参考にした資料
- 発注相場(クラウドワークス・2026年11月2日確認)
- 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成(Google 検索セントラル・2026年11月2日確認)
- 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律第25号)(e-Gov法令検索・2026年11月2日確認)
- 著作権法(昭和45年法律第48号)(e-Gov法令検索・2026年11月2日確認)
- ウェブ検索に関するスパムポリシー(Google 検索セントラル・2026年11月2日確認)
- AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス(文化庁著作権課・2024年7月31日)
記事作成代行の費用は、料金の型より、何を頼むかで決まります。見積は、構成づくり・事実確認・入稿の範囲をそろえてから比べます。従業員のいない個人に頼むときは、条件を書面かメールなどで示します。著作権をどうするかも契約に書いておくと、あとで困りにくくなります。記事を出し続ける体制づくりから相談したい場合は、お気軽にご連絡ください。

