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MAツールを入れる前に決めておくこと|HubSpotを使ってつまずいた所から

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MAツール(マーケティングオートメーション。見込み客の情報を集め、メールなどで関係を育てていくための道具)は、入れること自体はそれほど難しくありません。難しいのは、入れたあとに「フォームから送られたはずの問い合わせが見当たらない」「数字は出ているのに何を判断すればよいか分からない」といった所でつまずくことです。この記事では、当社が実際にMAツールとしてHubSpotを使う中でつまずいた所と、決めたことを手がかりに、入れる前に決めておくことを整理します。道具の比べ方や選び方ではなく、どの道具を選んだとしても、入れる前に確かめておきたいことに絞った内容です。

目次

道具を選ぶ前に、つなぐ所と見る所を決める

当社はMAツールとしてHubSpotを使っています。この記事で取り上げるのは、その中で経験した、自社のサイトとのつなぎ方、日本の番号の扱い、フォームの作り方、結果の見方にかかわる所です。どれも、道具の機能の多さとは別の、入れる前に決めておくことができる種類の事柄です。

MAツールの選び方を調べると、機能の一覧や料金の比べ方が多く出てきます。どの道具を選ぶかの考え方は、中小企業のMAツールの選び方で別に書いています。この記事で扱うのは、その前後にある、道具を何にしても起こりうるつまずきと、決めておきたいことです。

当社の記録は、つまずきが2つ、決めたことが2つです。

つまずき

  1. 自社サイトのドメインをHubSpotに登録していなかったため、フォームからの送信がスパムとして隔離されていた。
  2. 日本の携帯電話の番号(090で始まる番号)が、フォームではじかれた。

決めたこと

  1. フォームは画面で手作業で作らず、決まった設定で作れる方法(API)で作るようにした。
  2. 資料ダウンロードの結果を見るとき、30日後に見るのはダウンロードの件数ではなく、だれがダウンロードしたかとした。

以下、一つずつ、外部の公式の説明と合わせて、入れる前に何を決めておけばよいかを書きます。

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Domain

サイトのドメインを登録していないと、送信がスパムとして隔離される

当社は、自社サイトのドメインをHubSpotに登録していなかったため、フォームからの送信がスパムとして隔離されていました。

HubSpotは、HubSpotのフォームを外部のサイトに埋め込む場合、そのサイトのドメインをトラッキングの設定に追加する必要があり、追加されていないドメインからのフォーム送信はスパムと分類されると説明しています[1]。スパムの種類の説明でも、「未登録のサイトドメイン」は、フォームが置かれている、または埋め込まれているサイトのドメインが許可されていないことを示すもので、正当な送信であればそのドメインを追跡対象のサイトに追加するよう案内しています。逆に、自分が知らない、信頼できないドメインは追加しないよう注意も書かれています[2]。

見落としやすいのは、スパムとされた送信がどう扱われるかです。HubSpotの説明では、フォームの送信がスパムと判定されると、その送信に関わる顧客の記録は作られず、更新もされません。送信をきっかけにしたフォームの自動化も動かず、アクセスの分析にも反映されません。さらに、スパムとされた送信は送信日から90日後に自動で削除されます[2]。つまり、気づかないまま時間がたつと、問い合わせがあったこと自体が手元から消えてしまいます。

入れる前に決めておきたいのは、MAツールのフォームを置くサイトの一覧です。本体のサイトだけでなく、サービスごとの説明ページや、別のドメインで作った特設ページがあれば、それも含めて書き出し、登録が済んでいるかを確かめます。あわせて、スパムとされた送信の一覧を誰がいつ見るかも決めておくと、取りこぼしに早く気づけます。

Phone

090で始まる番号がはじかれたら、番号の決まりを疑う

当社では、日本の携帯電話の番号(090で始まる番号)が、フォームではじかれることがありました。

090は、日本で携帯電話に使われている番号です。総務省の電気通信番号の指定状況でも、070・080・090は「音声伝送携帯電話番号」として整理されています[3]。日本の会社の担当者が自分の携帯の番号を書くのはごく普通のことで、ここがはじかれると、問い合わせをあきらめる人が出かねません。

MAツールの電話番号の欄には、入力できる形を決める設定があることが多いです。たとえばHubSpotの従来のフォームの説明では、電話番号の欄には電話番号でよく使う数字と記号(+、-、( )、.、xなど)だけが入力でき、国番号の選択欄を表示する場合は、その国番号も文字数の制限に含まれること、既定の国番号は設定できず訪問者の機器のIPアドレスに合わせて決まることなどが書かれています[4]。また、顧客の記録の側で電話番号の検証をオンにすると、番号は「+」と国番号で始まる国際的な形(E.164)に合っている必要があると説明されています[5]。

当社のつまずきの原因がこのうちどれだったかを、ここで特定するつもりはありません。言えるのは、電話番号の欄には、国際的な形を前提にした設定や、文字数の制限など、日本の書き方とずれうる決まりがいくつもある、ということです。入れる前に決めておきたいのは、電話番号の欄をどんな形で受け取るか(ハイフンの有無、国番号を付けるかどうか)と、公開する前に090などの日本の携帯番号で実際に送信して確かめるという手順です。

HubSpotを入れたものの、フォームや問い合わせの流れがうまく回っていない場合は、今の設定と流れを伺いながら、直す所と仕組みにできる所を一緒に整理します。

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Forms

フォームは画面で手作業で作らず、決まった設定で作る

当社は、フォームを画面で手作業で作るのをやめ、決まった設定で作れる方法(API。プログラムから道具を操作するための窓口)で作るようにしました。

HubSpotは開発者向けの説明で、フォームを作る、フォームの定義を取り出す、一覧を取る、更新する、といった操作をAPIで行えることを示しており、新しいフォームを用意したり、作ったフォームの中身を確かめたりするのに使える、と説明しています[6]。

一般に、画面での手作業には、作る人やそのときの手順によって設定が少しずつずれる、という弱みがあります。前の2つの章で見たように、フォームには電話番号の欄の決まりや、置くサイトとの関係など、見落とすと問い合わせの取りこぼしにつながる設定がいくつもあります。決まった設定で作れるようにしておくと、新しいフォームを作るたびに同じ設定がそろい、どの設定で作ったかを後から確かめることもできます。

ただし、APIで作るにはプログラムを書く人が要ります。社内に書ける人がいない場合は、少なくとも「フォームを作るときに必ず確かめる設定の一覧」を紙に残し、手作業でも同じ確認ができるようにしておくことが、入れる前に決めておけることです。

Measure

資料ダウンロードの結果は、件数ではなく「だれが」を見る

当社は、資料ダウンロードの結果を見るとき、30日後に見るのはダウンロードの件数ではなく、だれがダウンロードしたか、と決めています。

MAツールを入れると、ダウンロードの件数、ページを見た数、メールの開封など、多くの数字がすぐに見えるようになります。件数は増えたか減ったかが分かりやすい一方で、その中に、自社の商品やサービスに関係のある会社の人がどれだけいるかは教えてくれません。BtoBの資料ダウンロードで本当に知りたいのは、話をしたい相手が来ているかどうかです。

「だれが」を見ると決めるなら、入れる前に決めておくことが増えます。フォームで何を聞くか(会社名、部署、役職など)、その答えをMAツールの記録にどうそろえて残すか、30日後にだれが一覧を見て、何を判断するか、です。ここが決まっていないと、30日後に一覧を開いても、名前が並んでいるだけで判断につながりません。そして、前の章で見たように、フォームの送信がスパムとして隔離されていれば、そもそも一覧に載りません[2]。見る所を決めることと、つなぐ所を確かめることは、ひと続きの準備です。

Comparison

入れる前に決めることと、決めないと起きること

ここまでの話を、決めることごとに整理します。右の列は当社の記録で、上の2つはつまずき、下の2つは決めたことです。

入れる前に決めること決めないと起きやすいこと当社の記録
フォームを置くサイトの一覧と、ドメインの登録正当な送信がスパムとして隔離され、記録も自動化も動かない自社サイトのドメインを登録しておらず、送信がスパムとして隔離されていた
電話番号の欄の受け取り方と、日本の番号での試し送信日本の書き方の番号がはじかれ、問い合わせが届かない090で始まる番号がフォームではじかれた
フォームの作り方(決まった設定で作るか)作るたびに設定がずれやすい画面での手作業をやめ、APIで作るようにした
結果を見る時期と、見る中身件数の増減だけを見て、話をしたい相手が来ているか分からない30日後に、件数ではなく、だれがダウンロードしたかを見ることにした

どれも、MAツールの機能が足りないから起きることではありません。道具と自社のサイトや業務をつなぐ所、そして結果の見方を、入れる前に言葉にしておけば防げる、あるいは早く気づけることです。

Checklist

公開前に確かめる5つの項目

最後に、MAツールのフォームを公開する前に確かめておきたいことを、一般的な形でまとめます。

  1. サイトの登録:フォームを置くすべてのサイトのドメインが登録されているか[1]。
  2. スパムの一覧:スパムとされた送信を、だれがいつ見るか決めているか。90日で消えることを知っているか[2]。
  3. 電話番号:090などの日本の携帯番号で、実際に送信して確かめたか[4][5]。
  4. 作り方:フォームを作るときの決まった設定を、APIか手順書の形で残しているか[6]。
  5. 見る中身:30日後など、結果を見る時期と、件数以外に何を見るかを決めているか。

FAQ

よくある質問

MAツールとは、何をする道具ですか?

見込み客の情報を集め、メールなどで関係を育てていくための道具です。フォームで連絡先を受け取り、記録を残し、決まった条件でメールを送るといった作業を仕組みにできます。

フォームの送信が届いていない気がします。まず何を見ればよいですか?

HubSpotを使っている場合は、スパムとされた送信の一覧を見てください。フォームを置いているサイトのドメインが登録されていないと、正当な送信もスパムとして隔離されることがあります。スパムとされた送信は90日後に自動で削除されます。

MAツールを入れたら、まず何の数字を見ればよいですか?

件数より先に、話をしたい相手が来ているかを見るのがおすすめです。当社は資料ダウンロードの結果を、30日後に、件数ではなくだれがダウンロードしたかで見ています。

MAツールの設定や運用を外に任せられますか?

当社は、HubSpotを中心に、顧客管理の設計、見込み客の情報の整理、メールの流れの設計などをご支援しています。すでに入れているがうまく使えていない場合も、今の流れを伺い、置き換えられる所から段階的に整えます。

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MAツールは、選ぶことより、つなぐ所と見る所を先に決めておくことで使い勝手が大きく変わります。当社がHubSpotでつまずいたのは、サイトのドメインの登録と、日本の携帯番号の扱いでした。また、フォームはAPIで決まった設定で作ること、資料ダウンロードの結果は30日後にだれがダウンロードしたかで見ることを決めました。どれも、入れる前に一覧と手順を決めておくと考えやすくなることです。入れたあとも、フォームや問い合わせの流れを続けて見直しながら整えたい場合は、今の流れを伺うところからご一緒します。

監修・運営:オプティソース株式会社

経営と起業の実務家チームが、AIを使って事業づくり、集客・営業の強化、業務改善を進める会社です。自社でも製造業向けの事業とサービスを運営し、そこで試したやり方をお客様の事業に使っています。

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