HubSpotは製品(Hub)が複数あり、それぞれにエディション(機能の段階)があるうえ、使う人の数や、AI・自動化の利用量、メールを送る相手の数でも料金が変わるため、価格表を見ただけでは総額が見えにくくなっています。この記事では、HubSpotが公開している製品・サービスのカタログをもとに、料金がどの要素で決まるのかと、見積もりの前に社内で数えておくことを整理します。
この記事の結論
- HubSpotの料金は「どの製品・エディションか」「シート(使う人の席)の種類と数」「クレジット(AIや自動化の利用量)」「マーケティングコンタクトの数」で決まります。
- 基本のシート(Core Seat)は、契約している製品のうち一番上のエディションに合わせて値段が決まります。たとえばMarketing Hub ProfessionalとSales Hub Enterpriseなら、Enterpriseの扱いです。
- Marketing Hubでは、メールを送るなどマーケティングの対象にするコンタクト(顧客や見込み客の連絡先)の数が料金に入ります。対象にしないコンタクトには料金がかかりません。
- 料金は改定されることがあるので、金額は公式の価格表や見積もりで確かめ、社内では「使う人数」「送る相手の数」「使う機能」を先に数えておきます。
HubSpotの料金を決める4つの要素
HubSpotの公式の製品・サービスカタログは、料金は製品ごとに違い、基本的には「HubSpot Seats(シート)」を買って、使う人ごとに機能を使えるようにする仕組みだと説明しています[1]。さらに「HubSpot Credits(クレジット)」で、一部の機能の利用量を追加できます[1]。
| 要素 | 中身 | 社内で数えておくこと |
|---|---|---|
| 製品とエディション | Marketing Hub・Sales Hub・Service Hub・Content Hub・Data Hub・Revenue Hubなどと、Starter・Professional・Enterpriseのエディション | どの業務をHubSpotで行うか |
| シート | 使う人ごとの席。種類によって使える機能と値段が違う | 実際に操作する人の数と、その人が使う機能 |
| クレジット | AIのエージェント(決まった作業をAIが代わりに進める機能)や自動化を動かすための利用量。毎月リセットされる | AIや自動化をどのくらい使うか |
| マーケティングコンタクト | Marketing Hubでマーケティングの対象にするコンタクトの数 | メールなどを送る相手の数 |
製品の一覧はカタログのページに並んでいて、見積もりや請求書の作成・支払いを扱うRevenue Hubや、各製品のStarterをまとめた小さな会社向けのセットもあります[1]。Hubの構成や名前は変わることがあるので、公式のページで確かめます。
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Seats
シートの種類と、値段の決まり方
カタログでは、シートは次のように分かれています(米ドル表示・2026年11月2日確認)[1]。
| シート | 使える範囲 | Starter | Professional | Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| Core Seat | 契約した製品の基本の機能、AIアシスタント、顧客情報の台帳(Smart CRM) | 1席 月20ドル | 1席 月50ドル | 1席 月75ドル |
| Sales Seat | Sales Hubのすべての機能(Core Seatの範囲を含む) | なし | 1席 月100ドル | 1席 月150ドル |
| Service Seat | Service Hubのすべての機能(Core Seatの範囲を含む) | なし | 1席 月100ドル | 1席 月150ドル |
| Revenue Seat | Revenue Hubのすべての機能(Core Seatの範囲を含む) | なし | 1席 月95ドル | 1席 月140ドル |
| View-Only Seat | 見るだけで、変更はできない | 追加料金なし | ||
見積もりで気をつけたいのは、Starter・Professional・Enterpriseが混ざっている場合、Core Seatはすべて、契約している中で一番上のエディションの機能と値段になることです[1]。1つの製品だけEnterpriseにすると、Core Seat全体の単価が上がります。また、Sales Hub・Service Hub・Revenue HubのProfessional以上のすべての機能を使うには、それぞれ専用のシート(Sales Seat・Service Seat・Revenue Seat)が必要です[1]。
数字を見るだけの人(経営者や他部署の人など)は、View-Only Seatにすれば追加料金はかかりません[1]。「全員に同じシートを配る」前に、操作する人と見るだけの人を分けて数えると、シート数を抑えやすくなります。
なお、一部の会社向けに限定で提供されている、シートとクレジットを柔軟に組み合わせる別の料金プランがあり、カタログには、そのプランの会社はCore SeatやSales Seatなどを使えないと書かれています[1]。このプランの補足の規定では、エディションを混ぜた契約はできず、どのアカウントにも「GTM Seat」というシートが少なくとも1つ必要とされています[2]。このプランでは、マーケティングコンタクトの料金やクレジットの単価も、ここで紹介したものとは扱いが違います[1]。自社がどちらのプランで見積もられているかも確かめます。
Credits
クレジット:AIや自動化の利用量
クレジットは、HubSpotの中でAIのエージェントや自動化を動かすための利用量です[1]。契約期間中、毎月リセットされ、使わなかった分は翌月に持ち越せません[1]。
| 含まれるクレジット(月) | Starter | Professional | Enterprise |
|---|---|---|---|
| Smart CRM・Marketing Hub・Sales Hub・Service Hub・Content Hub・Revenue Hub | 500 | 3,000 | 5,000 |
| Data Hub・Customer Platform(各製品のセット) | 500 | 5,000 | 10,000 |
複数の製品を契約しても、含まれるクレジットは足し算されず、一番上のエディションの量になります[1]。足りない分は1クレジット0.010ドルで追加でき、使った分だけ払う方法と、まとめて買い足す方法があります(2026年11月2日確認)[1]。AIの機能をよく使う予定なら、含まれる量で足りるかを見積もりの段階で確かめます。
Contacts
マーケティングコンタクト:送る相手の数
Marketing Hubを契約している場合、マーケティングの対象にするコンタクト(マーケティングコンタクト)の数が料金に入ります。カタログには、Marketing Hubを契約していればマーケティングコンタクトの料金がかかり、マーケティングの対象にしないコンタクトには料金がかからないと書かれています[1]。
HubSpotのヘルプでは、コンタクトをマーケティングの対象にするかどうかを指定でき、マーケティングを行うコンタクトの分だけ料金を払う形にできると説明しています[3]。既存の顧客など、マーケティングのツールで連絡する予定がないコンタクトがデータベースに入っていることもあるためです[3]。一度マーケティングの対象にしたコンタクトは、少なくとも次の変更反映日までは請求の数に入ります[3]。
見積もりの前に、名簿全体の数ではなく、メールマガジンなどを実際に送る相手の数を数えておきます。HubSpotの無料の範囲でできることは「HubSpot 無料でできることを機能別に整理」で紹介しています。
Why
なぜ総額を先に見ておくのか
中小企業基盤整備機構が全国の中小企業1,000社に2025年12月に聞いた調査では、DXに取り組むうえでの課題として「予算の確保が難しい」が26.0%で、「ITに関わる人材が足りない」(28.3%)に次ぐ2番目でした[4]。DXに取り組む予定がない会社(315社)の理由でも、「予算が不足している」が20.6%で上位に入っています[4]。報告書によると、従業員20人以下の会社(522社)では「予算の確保が難しい」が28.1%で、前回(2024年の調査)の26.4%から上がっています[5]。
HubSpotのように要素の組み合わせで料金が決まるツールは、初年度と2年目以降の総額を先に出しておくと、社内で予算を確保するときの説明がしやすくなります。入れる前に決めておくことは「MAツールを入れる前に決めておくこと」でも紹介しています。
Steps
見積もりを頼む前に数える5つのこと
- HubSpotで行う業務:問い合わせの管理、メール配信、営業の案件管理、問い合わせ対応など、どの業務を載せるかで製品が決まります。
- 操作する人と見るだけの人:操作する人の数と使う機能でシートの種類と数が決まり、見るだけの人はView-Only Seatにできます[1]。
- 一番上のエディション:1つの製品だけ上のエディションにすると、Core Seat全体の単価に響きます[1]。
- メールなどを送る相手の数:マーケティングコンタクトの数として料金に入ります[1][3]。
- AIや自動化の使い方:含まれるクレジットで足りるかを確かめます[1]。
このほか、導入の支援費用、年払いと月払いの違い、契約の途中での変更の扱いは、契約の形によって変わります。見積もりを受け取ったら、これらが含まれているかを確かめます。導入を手伝う会社を選ぶときの考え方は「HubSpotパートナーの選び方」にまとめています。
FAQ
よくある質問
HubSpotの料金は月いくらですか?
製品・エディション・シートの種類と数・マーケティングコンタクトの数で変わります。シートの単価は、たとえばCore SeatがStarterで1席月20ドル、Professionalで月50ドル、Enterpriseで月75ドルと公式カタログに載っています(2026年11月2日確認)[1]。円の金額は公式の価格表や見積もりで確かめます。
見るだけの人にもシートが必要ですか?
View-Only Seatなら追加料金なしで使えます。見るだけで、変更はできません[1]。
コンタクトが多いと料金は上がりますか?
Marketing Hubでは、マーケティングの対象にしたコンタクトの数が料金に入ります。対象にしないコンタクトには料金がかかりません[1][3]。
AIの機能に追加の料金はかかりますか?
エディションごとに含まれるクレジットがあり、足りない分は1クレジット0.010ドルで追加できます(2026年11月2日確認)[1]。クレジットは毎月リセットされ、翌月に持ち越せません[1]。
Sources
参考にした資料
- HubSpot Product & Services Catalog(HubSpot・2026年11月2日確認)
- Flexible Seats-and-Credits Product & Services Supplement(HubSpot・2026年11月2日確認)
- コンタクトをマーケティングコンタクトに設定(HubSpot ナレッジベース・2026年11月2日確認)
- 中小企業のDX推進に関する調査(2025年)調査結果のポイント(中小企業基盤整備機構・2026年2月)
- 中小企業のDX推進に関する調査(2025年)報告書(中小企業基盤整備機構・2026年2月)
HubSpotの料金は、価格表の月額だけでなく、シートの種類と数、クレジット、マーケティングコンタクトの数を合わせて初めて総額が見えてきます。社内で「使う業務」「操作する人と見るだけの人」「送る相手の数」を数えてから見積もりを頼むと、比べやすくなります。HubSpotの導入や、どこまでをHubSpotで行うかの整理から相談したい場合は、お気軽にご連絡ください。

