ホワイトペーパーを作って資料ダウンロードを増やしたい。けれど、1冊作るのに時間がかかり、作っても読まれているのか分からない。そんな理由で手が止まっている会社は少なくないはずです。ホワイトペーパーとは、読み手の仕事の課題について、解決の考え方や手順をまとめた解説資料のことです。この記事では、ホワイトペーパーの作り方の基本、AIで作るときに守ること、資料ダウンロードのあとのお礼のメールで気をつける法律を、公式の資料をもとに整理します。あわせて、私たちが手掛けたあるBtoBメディアで、資料ダウンロードのたびにAIで解説資料を作っている仕組みと、届いているリード(連絡先をいただいた見込みのお客様)の数を紹介します。
ホワイトペーパーは、連絡先をいただく入口になる
ホワイトペーパーは、BtoBのマーケティングで連絡先をいただく方法の1つです。米国のContent Marketing Instituteなどが2025年に、主に北米のBtoBのマーケティング担当者1,015人に聞いた調査では、91%が自社で直接お客様のデータを集めていると答えています。データを集めていると答えた人の集め方を見ると、資料をフォームの先に置く方法・ウェビナー・診断の道具などをひとまとめにした「コンテンツを通じた収集」が68%でした(この数字が何人のうちの割合かは、原典に明記されていません)[1]。
記事は検索から読まれますが、読んだ人がだれなのかは分かりません。ホワイトペーパーは、記事を読んで「もっと詳しく知りたい」と思った人に、連絡先と引き換えに渡す資料です。つまり、記事とホワイトペーパーは、読まれる入口と、つながる入口という別の役目を持っています。
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Basics
ホワイトペーパーの作り方の基本
ホワイトペーパーを作るときに決めることは、大きく5つあります。
- 1冊で答える問いを1つに絞る:あれもこれも入れると、読み手は自分に関係する部分を探せません。「この1冊で何が分かるか」を1行で言えるところまで絞ります
- 読み手の立場を決める:社長向けか、現場の担当者向けかで、必要な深さと言葉が変わります
- 構成を決める:一般には、課題の整理、考え方、手順、確かめる点、の順にすると、読み手が自分の状況に当てはめやすくなります
- 根拠を示す:数字や制度の説明は、どこから引いたかを書きます。資料は社内で回し読みされることが多く、出どころが書いていない数字は使われにくくなります
- 長さと形を決める:何十ページもの資料より、短く要点がまとまった資料のほうが最後まで読まれることもあります。読み手が使う場面に合わせて決めます
見落としがちなのが、資料が古くなることです。一度作って置いたままのホワイトペーパーは、制度の改正や市場の動きが反映されず、だんだん使えない資料になっていきます。とくに法令や補助金、価格の動きに関わるテーマでは、いつ時点の情報かを資料の中に書き、見直す時期を決めておきます。申し込みのたびに作り直す仕組みにすれば、その時点の情報を足して届けやすくなる、という考え方もあります。
作ったあとに大事なのは、どの記事から案内するかです。ホワイトペーパーのテーマと、案内を置く記事のテーマが合っていないと、読み手は資料に進みません。
AI
AIで作るときに守ること
AIを使えば、元になる記事から解説資料の下書きを短い時間で作れます。そのときに知っておきたいのが、Googleが示している「だれが、どのように、なぜ」の考え方です。Googleは、コンテンツの作成の大部分に自動化を使っている場合、AIなどを使っていることを読み手にはっきり伝えているか、どのように使ったかを説明しているか、を自分に問いかけるようすすめています[2]。
また、Googleは、コンテンツがどのように作られたかではなく、その品質に重点を置くと説明しています[3]。ホワイトペーパーは検索に出すための記事ではありませんが、読み手が仕事で使う資料である以上、考え方は同じです。AIで作るなら、次の4つは人が確かめる形にしておきます。
- 数字や制度の説明が、元の資料と合っているか
- 読み手の会社の状況によって答えが変わる所を、言い切っていないか
- 古くなった情報が残っていないか
- AIで作ったことを資料に書くかを決めているか
Our Case
資料ダウンロードのたびにAIで解説資料を作る仕組み
私たちが手掛けたあるBtoBメディアでは、記事の資料ダウンロードが来るたびに、その記事を読んでA4横2ページの解説資料をAIで作り、最新の動きを書き足して届けています。
資料ダウンロードが来たら、問い合わせを管理する道具に案件として登録し(同じ会社の重複を確かめ、会社の正式名称を調べる)、資料を作り、お礼のメールの下書きまでを決まった手順で進めます。
開封を確かめるためのリンクを貼る作業と、メールを送る操作は人が行います。全部を自動にはしていません。
このメディアでは、資料ダウンロードから月25件前後の新しいリードが届いています。
資料ダウンロードや問い合わせへの導線を、今あるメディアの記事から組み立てられます。まずは今の状況をお聞かせください。
無料で相談するRules
お礼のメールとフォームで気をつける法律
資料ダウンロードのフォームで受け取る氏名やメールアドレスなどは、個人情報にあたります。個人情報保護法の第21条では、本人から書面(電子的な記録を含む)で直接個人情報を取得する場合は、あらかじめ本人に利用目的をはっきり示すことを求めています[4]。フォームの近くに、何のために使うのかと、プライバシーポリシーへの案内を置いておきます。
もう1つ気をつけたいのが、広告や宣伝のメールです。特定電子メール法の第3条では、広告や宣伝のためのメールは、あらかじめ送ることを求めた人や同意した人など、決められた相手にしか送ってはならないとしています。同意を得た場合は、その記録を残すことも求めています[5]。
資料を申し込んだ人に資料を届けるお礼のメールと、その後に送る案内のメールは、分けて考えるのが無難です。案内のメールを送るつもりなら、フォームで同意を得る欄を設け、その記録を残す形にしておきます。
After Download
申し込みのあとの流れを先に決めておく
ホワイトペーパーは、作って置いた時点では半分しか終わっていません。申し込みが来たあと、だれが何をするかが決まっていないと、届いた連絡先が手つかずのまま残ります。一般には、次のことを先に決めておくと、件数が増えても回せます。
- 連絡先をどこに記録するか:表計算のファイルでも、問い合わせを管理する道具でもよいので、1か所に決めます。記録する場所が分かれると、同じ人に二度連絡したり、だれも連絡しなかったりします
- 同じ会社からの申し込みをどう扱うか:同じ会社の別の人が申し込むこともあります。会社ごとにまとめて見られるようにしておくと、その会社が何に関心を持っているかが分かります
- どのくらいの時間で返すか:資料を申し込んだ直後は、読み手の関心がいちばん高い時です。返すまでの目安を決めておきます
- 最後の操作をだれが持つか:送る相手や中身を間違えると取り返しがつきにくいので、送る前に人が見る所を決めます
申し込んだ人の氏名やメールアドレスをAIに渡す場合は、渡す前に、使う道具の規約で入力した内容の保存や学習への利用の扱いを確かめ、渡す項目は必要最小限にします。この流れが決まっていれば、資料を作る部分にAIを使っても、全体が止まらずに回ります。逆に、流れが決まらないまま資料作りだけを自動にすると、作られた資料が送られないまま残ることになりかねません。
Measure
効果は、件数と元の記事を並べて見る
ホワイトペーパーの効果を見るときは、申し込みの件数だけでなく、どの記事から申し込まれたかを並べて見ます。件数が多い資料は、案内を置く記事を増やす候補になります。反対に、よく読まれている記事に置いているのに申し込みが少ない資料は、記事とテーマがずれている可能性があります。
件数を数える場所も1か所に決めておきます。アクセス解析の道具で数えたボタンの押された回数と、実際に届いた連絡先の数は、一致しないことがあります。どちらで数えるかを決めずに報告すると、月ごとの比較ができなくなります。
Theme
テーマは、検索で表示されているのに選ばれていない言葉から探す
ホワイトペーパーのテーマに迷ったら、検索の数字が手がかりになります。Googleの無料の道具であるSearch Consoleでは、サイトが検索結果に表示された回数(表示回数)、検索結果からクリックされた回数(クリック数)、クリック数を表示回数で割ったクリック率が見られます[6]。
表示回数は多いのにクリック率が低い言葉は、その言葉で探している人がいるのに、今の記事では選ばれていない、ということです。こうした言葉に1冊で答える資料を用意すると、記事とは別の入口を作れます。
当社のサイトでは、検索で表示は多いのにクリックされていない言葉に、1つのテーマに1冊で答えるホワイトペーパーを10種類作りました。
Comparison
ホワイトペーパーの作り方を比べる
| 作り方 | 向いている場合 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 社内で1冊ずつ書く | 扱うテーマが少なく、詳しい人が社内にいる | 書く人の時間が取れないと止まる。古くなった内容を直す手間もかかる |
| 制作会社に1冊ずつ頼む | 見た目を整えた資料を少数作りたい | 1冊ごとに発注と確認の手間がかかる。テーマの選び方は自社で決める必要がある |
| 申し込みのたびに元の記事からAIで作る | 記事が多く、記事ごとに資料を用意したい | 数字や制度の説明は人が確かめる必要がある。送る操作をだれが持つかを決める |
| 資料ダウンロード・問い合わせの導線の設計を外に任せる | どの記事から、どんな資料に案内するかを整理したい | 資料の中身や、フォームの利用目的・同意の取り方は社内でも確かめる必要がある |
Sources
参考にした資料
- Content Marketing Institute「B2B Content and Marketing Trends: Insights for 2026」(2025年10月)
- Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
- Google 検索セントラル ブログ「AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」(2023年2月)
- e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」第21条
- e-Gov法令検索「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」第3条
- Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定」
FAQ
ホワイトペーパーの作り方についてよくある質問
ホワイトペーパーは何ページくらいが目安ですか?
決まった長さはありません。1冊で答える問いを1つに絞り、読み手が使う場面に合わせて決めます。上のBtoBメディアでは、A4横2ページの解説資料を届けています。
AIで作ったホワイトペーパーでも問題ありませんか?
Googleは、作り方ではなく品質に重点を置くと説明しています。ただし、数字や制度の説明が元の資料と合っているか、古い情報が残っていないかは、人が確かめる形にしておく必要があります。
全部を自動にしてもよいですか?
上のBtoBメディアでは、開封を確かめるためのリンクを貼る作業と、メールを送る操作は人が行っています。送る相手や中身の誤りは取り返しがつきにくいので、最後の操作をだれが持つかを決めておくのがおすすめです。
ダウンロードした人に、案内のメールを送ってもよいですか?
広告や宣伝のメールは、特定電子メール法で、あらかじめ同意した人などに送る相手が限られています。案内を送るつもりなら、フォームで同意を得る欄を設け、その記録を残しておきます。
テーマはどう選べばよいですか?
Search Consoleで、表示回数は多いのにクリック率が低い言葉を探すのが1つの方法です。当社のサイトでは、こうした言葉に1つのテーマに1冊で答えるホワイトペーパーを10種類作りました。
ホワイトペーパーは、1冊で答える問いを1つに絞り、読み手の立場と根拠を決めて作ります。AIで作るなら、数字や制度の説明は人が確かめ、送る操作をだれが持つかを決めておく。フォームでは利用目的を示し、案内のメールを送るなら同意を得る。テーマは、検索で表示されているのに選ばれていない言葉から探す。この順で進めると、記事と資料がそれぞれの役目を果たしやすくなります。当社は、狙う言葉の設計やSearch Consoleの分析から、資料ダウンロード・問い合わせへの導線の設計まで、続けてお引き受けしています。

