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資金繰り表テンプレートと書き方|銀行に出すときに見られる所と、エクセルで自動計算する作り方

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「決算では利益が出ているのに、来月の支払いが心配」「融資の相談で資金繰り表を出してくださいと言われたが、何をどう書けばよいか分からない」。会社を立ち上げたばかりの方や、経理を一人で見ている方から、よく聞く悩みです。資金繰り表は、毎月いくらお金が入り、いくら出ていき、月末にいくら残るかを並べた表です。この記事では、資金繰り表の項目と書き方の手順、損益(もうけ)の計算との違い、日本政策金融公庫が公開している様式、銀行に出すときに見られる所、エクセルで自動計算するときの注意をまとめます。

📄 資金繰り表テンプレート(Excel・無料)— 入金・出金・借入から、翌月の残高を自動で計算

この記事の結論

  • 資金繰り表は、毎月の入金・出金と月末の残高を並べる表です。売上と入金の時期のずれや借入の返済があるため、利益が出ていてもお金が足りなくなる月は、損益の計算では見えません。
  • 項目は「前月繰越金 → 経常収支 → 経常外収支 → 財務収支 → 翌月繰越金」の順です。迷ったら日本政策金融公庫の様式の並びに合わせます。
  • 書くときは、始めの残高を試算表や通帳と合わせ、直近の実績から書き始めます。売上は入金される月にずらして入れ、3〜6か月先まで見ます。
  • 銀行に出す前に、始めの残高が合っているか、予定の数字に根拠があるか、借りたお金の使い道と返す力が読み取れるかを確かめます。
  • エクセルでは、次の月の前月繰越を前の月の翌月繰越のセルから引く式にし、マイナスの月に色を付けます。行を足したときに合計から漏れていないかも確かめます。
目次

利益が出ていても、お金が足りなくなる月はある

資金繰り表が必要になるのは、利益の計算と、手元のお金の動きが一致しないからです。中小機構が運営する J-Net21 では、損益計算書で利益が出ていても、売上と入金の時期がずれるとお金が足りなくなり、倒産することがあると説明しています。これがいわゆる「黒字倒産」です[3]。同じサイトの別のページでは、この状態を「勘定あって銭足らず」という言葉で紹介しています[4]。

たとえば、4月に100万円の仕事を納めて請求しても、入金が6月なら、4月と5月の手元のお金は増えません。その間も家賃や給料は払う必要があります。利益の計算では4月に売上が立っていても、お金の上では2か月待つことになります。

ずれる理由は入金の時期だけではありません。設備を買ったときは、代金は買った月に出ていきますが、経費としては使える年数に分けて少しずつ計上します。国税庁は減価償却を「減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続」と説明しています[5]。借入金の返済も、元本の部分は経費になりませんが、お金は毎月出ていきます。

損益と資金繰りの違いを、表にまとめます。

見る所損益(もうけの計算)資金繰り(お金の動き)
売上を入れる月商品やサービスを納めた月実際にお金が振り込まれた月
仕入を入れる月仕入れた月(売れた分を原価にする)実際に代金を払った月
設備を買ったとき使える年数に分けて、少しずつ経費にする(減価償却)代金を払った月に、まとめて出ていく
借入と返済借りたお金は売上にならない。返済も元本の部分は経費にならず、利息だけが経費借りた月に入り、返す月に出ていく。元本も利息も両方書く
分かること事業がもうかっているかどの月にお金が足りなくなるか

損益の計算で分かるのは事業がもうかっているかどうかで、どの月にお金が足りなくなるかは資金繰り表を作らないと見えません。月次の試算表と資金繰り表を一緒に見ておくと安心です。

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Items

資金繰り表の項目:前月繰越から翌月繰越まで

資金繰り表には、決まった書式はありません[4]。ただ、日本政策金融公庫(以下、公庫)は国民生活事業のページで、資金繰り表のExcel版と、Word・Excelの簡易版、記入例を公開しています[1]。迷ったら、この様式の並びに合わせておくと、金融機関の担当者にも読みやすくなります。

公庫の記入例は、上から次の順に並んでいます[2]。

  1. 前月繰越金:その月の始めに手元にあるお金です。現金と預金を合わせた額を書きます。
  2. 経常収支:本業のお金の出入りです。収入には「現金売上」「売掛金回収」(あとで払ってもらう約束の売上が入金されたもの)「受取手形入金・割引」(手形=後日払う約束の証書が現金になったもの)、支出には「現金仕入」「買掛金支払」(あとで払う約束にした仕入の支払い)「手形決済」「外注加工費」「人件費」「諸経費」が並びます。収入から支出を引いた額が「差引過不足」です。
  3. 経常外収支:本業以外の出入りです。設備を売った収入や、設備を買った支出などを書きます。
  4. 財務収支:借入金(様式では「当公庫」と「ほかの借入」に分かれています)と、借入金の返済(短期・長期)を書きます。
  5. 翌月繰越金:前月繰越金に、差引過不足・経常外収支・財務収支を足した額です。これが次の月の前月繰越金になります。

記入例の1か月目(実績)で計算を追うと、前月繰越金39,847に差引過不足621を足し、経常外の支出20,000と借入金の返済2,000(財務収支はマイナス2,000)を引くと、翌月繰越金は18,468です[2]。2か月目からは差引過不足が3か月続けてマイナスですが、2か月目に借入が入るため、翌月繰越金はプラスのまま推移しています。本業の収支と、借入でつないだ分を分けて書くと、こうした流れが一目で分かります。

記入例には、売上高と「(参考)前年同月の売上高」の行、売上高や経費の算出根拠を書く欄もあります[2]。予定の数字には、その理由を添えるのが前提になっている、ということです。

Process

資金繰り表の書き方の手順

公庫の記入例に書かれた手順[2]と J-Net21 の解説[3][4]をもとに、はじめて作るときの順番を整理します。

  1. 始めの残高を確かめる:決算書や試算表(月ごとの帳簿の残高をまとめた表)、通帳を見て、1か月目の始めの残高を書きます。J-Net21 では、前月繰越が月次の試算表の現金預金の合計と一致するよう確かめることを勧めています[3]。
  2. まず過去の実績を書く:いきなり予定を書くより、通帳と試算表から直近の月の実績を書くほうが正確です。公庫の記入例も、1か月目は実績、2か月目以降が予定という形です[2]。
  3. 売上の予定を立てる:決まっている受注、過去の実績、季節による増減をもとに、月ごとの売上を書きます[2]。新しい事業で実績が無い場合は、売上予測の計算方法の記事も参考にしてください。
  4. 入金の月にずらして書く:売上の予定を、実際に振り込まれる月に移して「売掛金回収」に入れます。月末締め翌月末払いなら、1か月後ろにずれます。仕入や外注費の支払いも同じように、払う月に書きます[2][4]。
  5. 決まった支払いと、年に数回の支払いを入れる:給料・家賃・借入の返済に加えて、税金・社会保険料・賞与・設備の購入など、毎月ではない支払いも忘れずに入れます。借入の返済は、返済予定表を見て月ごとに書きます[2]。
  6. 算出根拠を書き、3〜6か月先まで見る:売上や経費の数字の理由を書いておきます[2]。J-Net21 では、過去の実績をもとに3〜6か月先の資金を予測するとよいとしています[3]。

作ったあとは、月が終わるたびに予定の数字を実績に置き換え、予定とのずれを確かめます。ずれが大きい項目は、次の月からの予定の立て方を見直す材料になります。表で残高が足りなくなる月が見えたときに、入金を早める・支払いを遅らせる・融資を相談するといった手をどの順で考えるかは、資金ショートの原因と対策の記事で整理しています。

Excel

エクセルで自動計算するときの作り方と注意

資金繰り表は、表計算ソフトで合計や翌月繰越が自動で出るようにしておくと、毎月の手間が減ります[4]。押さえる式は多くありません。

  • 収入の合計・支出の合計:各月の列で、収入の行と支出の行をそれぞれ SUM で足します。
  • 翌月繰越:「前月繰越+収入の合計−支出の合計+借入−返済」の式にします。
  • 次の月の前月繰越:手で数字を写さず、前の月の「翌月繰越」のセルを参照する式にします。ここを手で入れると、途中の月を直したときに後ろの月が合わなくなります。
  • 残高がマイナスの月に色を付ける:翌月繰越の行に条件付き書式を設定し、0未満のときに赤くすると、足りなくなる月を見落としにくくなります。

自動計算の表で起きやすい失敗が2つあります。1つは、合計の行のすぐ上に行を足したとき、その行が SUM の範囲に入らず、合計から黙って抜けることです。もう1つは、別のファイルから貼り付けた数字が文字として入り、SUM で0として扱われることです。行を足したら合計が変わったかを確かめ、数字が左寄せになっていないかも見ておくと防げます。

一から作る手間を省きたい方は、当社の資金繰り表テンプレート(Excel・12か月)も使えます。入ってくるお金(現金売上・売掛金の回収など)、出ていくお金(現金での仕入・買掛金の支払い・人件費・家賃など)、借入・増資と返済を分けて入れると、翌月への繰越を自動で計算し、マイナスの月を赤く表示します。区分ごとの合計のすぐ上に「(〜を足すときは、この行の上に挿入)」と書いた行を置いてあり、その上に行を足せば合計に入ります。数字でない欄があれば表の下で知らせます。公庫の様式にある経常外収支の区分は無いので、設備の購入などは出ていくお金に行を足して書いてください。

For Banks

銀行に出すときに見られる所

J-Net21 によると、融資を申し込むと、金融機関の担当者は資金繰り表を付けた稟議書(社内で承認をもらうための書類)を作ることになります。また、景気が悪いときには、決算書よりも今の資金繰りが分かる資金繰り表を重視する金融機関もあるとしています[3]。どの書類をどう見るかは金融機関ごとに違いますが、公庫の記入例と J-Net21 の解説から、確かめておきたい所を挙げます。

始めの残高が、試算表や通帳と合っているか

前月繰越が試算表の現金預金と合っていないと、表全体の数字が信用されにくくなります[3]。提出前にいちばん先に確かめたい所です。

予定の数字に根拠があるか

公庫の記入例には、算出根拠を書く欄と、前年同月の売上高を並べる行があります[2]。売上の予定が前年や直近の実績から大きく外れているなら、受注が決まっている、新しい取引先が増える、などの理由を書き添えます。

借りたお金の使い道と、返す力が読み取れるか

財務収支を本業の収支と分けて書くと、借りたお金がどの月に入り、どの月の不足を埋めるのかが見えます。返済が始まったあとも、本業の収支と手元の残高で返していけるかが、表から読み取れる形にしておきます。

相手が決めた様式があれば、そちらを使う

金融機関から様式を指定された場合は、そちらに合わせます。創業時に公庫へ出す書類全体の流れは日本政策金融公庫の創業融資の記事で、創業計画書の書き方は創業計画書の記入例の記事で紹介しています。

FAQ

資金繰り表についてよくある質問

資金繰り表とキャッシュフロー計算書は何が違いますか?

J-Net21 では、キャッシュフロー計算書は過去のお金の流れを表すもので、資金繰り表は将来のお金の流れをつかむために作るもの、と説明しています。資金繰り表は決算書(財務三表)には含まれません[3]。

銀行に出す資金繰り表は、何か月分作ればよいですか?

決まった期間はありません。公庫の記入例は実績1か月と予定3か月の形で[2]、J-Net21 は3〜6か月先を予測するとよいとしています[3]。融資の相談では、返済が始まる時期まで見える長さにしておくと説明しやすくなります。指定があれば、その期間に合わせてください。

日本政策金融公庫の資金繰り表の様式は、どこで手に入りますか?

公庫の「各種書式ダウンロード(国民生活事業)」のページに、資金繰り表のExcel版、Word・Excelの簡易版、記入例が載っています[1]。

売上の予定が立たない創業前でも、資金繰り表は作れますか?

作れます。開業までにかかるお金と、売上が入り始めるまでの月数を先に書き、何か月目に残高が最も少なくなるかを見ておくと、必要な資金の額を考える手がかりになります。売上の予定は、楽な場合と厳しい場合の2通りで作っておくと、借入の額を決めるときに役立ちます。

資金繰り表テンプレートの表紙
テンプレート

資金繰り表テンプレート(Excel・無料)

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資金繰り表は、前月繰越に入ってくるお金と出ていくお金、借入と返済を足し引きして、翌月繰越を出す表です。利益の計算とは売上や支払いを入れる月が違うため、黒字でもお金が足りなくなる月を前もって見つけられます。書くときは、始めの残高を試算表と合わせ、実績から始めて、予定には根拠を添えます。銀行に出すなら、公庫の様式の並びに合わせると読みやすくなります。当社では、日本政策金融公庫の創業融資に向けた創業計画書づくりや面談の準備をお手伝いしています。

監修・運営:オプティソース株式会社

経営と起業の実務家チームが、AIを使って事業づくり、集客・営業の強化、業務改善を進める会社です。自社でも製造業向けの事業とサービスを運営し、そこで試したやり方をお客様の事業に使っています。

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